さて、続きです。
認知症の方の行動として、『徘徊』という行為が見られることがあります。
徘徊という言葉を辞書で調べてみると『意味もなくうろうろと動き回ること』とあります。
この意味はもちろん健康な人からの目線での意味だととらえてください。
私たちから見れば、『徘徊』でも、認知症の方にとっては『意味のある行動』なのです。
この『徘徊』が私たちに送られているメッセージだととらえることが必要だと思います。
例えば、トイレに行きたいメッセージだったり、何処かに行きたいメッセージだったり・・・
うまく言葉に出来ないから、『徘徊』という形になって現れるのだと思います。
これで大事なことは
①徘徊している人がいれば一人で対応しようとせず、周囲の協力が必要
認知症の方って、比較的足腰のしっかりした方が多く、歩き始めるとかなりのスピードで歩きだします。それに
一人が危険のないようについて行きますが、それとは別に車で迎えに来てもらうよう応援体制を取ることも必要
です。
②周りの人にも『認知症』であることを理解してもらう
先ほどの①とよく似ていますが、御近所の方にもその方が『認知症』であることを伝え、何かあれば声をかけて
もらったりします。今の御時世、あまり親しくない人とは話すことをしなくなりましたよね。なので、近所を認知症
の方が歩いていても(徘徊していても)見て見ぬふりをする人も少なくありません。そこで、声をかけてくださるこ
とにより、行方不明を回避することも出来ます。
実際、認知症の方がお出かけになり、帰り道が分からなくなり、お亡くなりになられる、とうことが少なくありませ
ん。認知症であることを周囲の人に話すことは勇気がいることかもしれませんが、それで命が守れるのであ
れば、最初は勇気がいりますが周囲に理解してもらうと安心につながりますよね。
③本人のよく持ち歩いているものに、連絡先を書いておく
靴やかばんなどに、その人の名前、連絡先を書いておきます。そうすることによって、見つけてくださった方か
ら連絡が入り、発見につながることも多いです。
余談ですが、昔ヘルパーでお世話させていただいていた利用者さんも、幾度となく徘徊で迷子になっている方がいらっしゃいました。その方へは御家族の御希望で『GPS』をいつも持ち歩くリュックの中に入れていました。
いつもこのご利用者さんは飼い犬と一緒に行動していました。ある日、ヘルパーが訪問した時、犬と利用者さんは不在、GPSで探したところその日に限ってGPSを持っておらず途方に暮れていると、犬だけが自宅に戻ってきました。犬は帰ってきたもののそわそわしていたので、もう一度、外に出すと私たちをある場所に誘導してくれました。ある場所で、ご利用者様は倒れていました。意識もなく、急いで病院に搬送しましたが、翌日、脳出血で帰らぬ人となりました。御近所さんも出かけているのは知っていたものの、いつものお肉やさんへ買い物に行っているものだと思い声をかけなかったそうです。あの時、声を掛けていれば・・・と後悔してもその方は戻ってきません。
本当に認知症の介護って、大変です。今がよくても、数分先のことは分かりません。
だからこそ、周りの人の協力が大切になってきます。
まとまりがありませんが、また次回・・・