身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…(東京新聞7月7日)

 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/261541

 

 まあ、ご一読ください。

 こういう言葉をマスコミの前で堂々吐ける人物が、日本の精神科病院のトップにいるわけです。「改革」「改善」とか、端から頭にない。法律に則ってやっているだけ。何が悪い?

 

 この人にここまでの言葉を歯切れよく、ズバズバ言わせてしまう背景には、何があるのか考えました。日本国民の精神障害者に対する負の感情。それが彼に大きな力を与えているのでしょう。

 そして、こういう仕組みは日本特有のもので、かつてのハンセン病政策を彷彿とさせます。

「野放しにしたら危険な人たち」を我々は身を挺して面倒を見てあげている。我々がやらなかったら、誰がやるのか。嫌なら市中に放ちます。みんな嫌でしょ?(だから多少のやりたい放題は国民は目をつむるべきなんです)。

 インタビューの後、東京新聞なりの意見も書かれていますが、こんなのは「少数意見」と、彼にとっては痛くもかゆくもないはずです。なんてったって、彼らには大多数の日本国民がついているのですから。

 こういう発言に対して、精神医療サイドからの反論がないことも、大いに頷けることです。

 知る限りでは、斎藤環さんだけ、Twitterで少し書いています。

 https://togetter.com/li/2182979?fbclid=IwAR1VByRP1MWzkLLpArsZawlE5XygA3E-2DbwtgRo4u93Z-dL9DbuICYIVkE

 

 にしても、東京新聞の記者はよくやったと思います。

 山崎会長におもねることなく、正論をぶつけることでこういう言葉を引き出せたのは、かえって日本の精神医療の現実を浮き彫りにしました。インタビューの相手に気に入られることしか念頭にない取材より、よほど実りがあるのではないでしょうか。