以前からお知らせしている、ベンゾジアゼピン処方に関する裁判
http://ameblo.jp/momo-kako/entry-12182836451.html
http://ameblo.jp/momo-kako/entry-12205402013.html
この判決が3月17日に名古屋地方裁判所でありました。
結果は、ほぼ敗訴です。
裁判ではめまい症で受診した患者に抗てんかん薬のランドセンを長期、大量に処方し、薬物依存をきたしたことに対する損害賠償請求ですが、原告の言い分はほぼ認められませんでした。
つまり、被告の主張……「抗てんかん薬ランドセンはめまい症に有効性及び安全性が認められている」が全面的に認められたということです。
原告が勝ったのは、被告の「副作用の説明義務違反」だけで、賠償額は117万円、しかし、訴訟費用は原告負担となりました。
ランドセンがめまい症に有効なのかどうか……被告の主張は有効症例があったが今は診療録は見つからない、研究データは破棄した……これが全面的に認められたということです。証拠は何一つ提出せずに、すべて主張が採用されました。
この判決は、過量ベンゾジアゼピンによる適応外処方は医師のほぼ無限の裁量権により認められる、とういうことを現わしています。適応外処方も、大量処方も、医師の裁量権という厚い壁の前では患者はどのような被害を受けようとも、救済されないということです。
当事者であるT氏はこの結果を重く受け止め、(不当判決であるとして)、当初敗訴の場合は4月2日の名古屋で行われる講演会には出席しないとの意向でしたが、担当弁護士と共に、この裁判について、さらには今後の「医療裁判」についての提言を行いたいのでぜひ開催をとの意見をいただきました。
そこで、改めて、4月2日の名古屋で行われる講演会について参加者を募集します。
千葉の石郷岡病院事件の不当判決も踏まえつつ、医療裁判について一緒に考えていきませんか。
T氏の担当弁護士さんも出席されますので、ぜひご参加いただければと思います。
ベンゾジアゼピン処方をめぐる裁判を語る ――日本の医療裁判の問題点とは――
2017年4月2日(日)午後1時15分より 名駅前 ウインクあいち 906会議室 参加費 500円
一応申込のメールをいただけると助かります。
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国際医薬品情報 ツイッター(3月17日)より https://twitter.com/IPI_editors
薬食審安全対策部会で厚労省、ベンゾジアゼピン系の添付文書改訂を企業に指示すると報告。睡眠薬・抗不安薬では「重要な基本的注意」に「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。投与を継続する場合には治療上の必要性を検討すること」と盛り込む。
厚労省、ベンゾジアゼピン系の添付文書改訂へ(2)。「重大な副作用」の「依存性」について、承認用量の範囲内においても、連用により薬物依存が生じることがあることを明確化し「用量及び使用期間に注意し」慎重に投与することを求める。
厚労省、ベンゾジアゼピン系の添付文書改訂へ(3)。承認用量の範囲内においても、連用中における投与量の急激な減少又は投与の中止により、原疾患の悪化や離脱症状があらわれることがあることを明確化。投与を中止する場合、徐々に減量するなど慎重に行うよう求める。
厚労省、ベンゾジアゼピン系の添付文書改訂へ(4)。「重大な副作用」の「刺激興奮、錯乱」について、統合失調症患者や高齢者に限らず、あらわれることがあることを明確化。観察を十分に行うよう求める。
ベンゾジアゼピン系添付文書改訂で宮岡等北里大教授。危険性の認識に医師ごとに温度差がある。高齢者に寝る前に安易に出ていることも。「大量投与」という言葉を削除し、承認用量の範囲内でも連用により薬物依存が起こることがあることを示すことは非常に大事。薬食審安全対策部会で参考人として発言。
(つまり常用量依存を認めたということです)