自主断薬――「死にたい」離脱症状

・2014年11月

断薬を決意。

主治医に「薬を飲みながら妊娠したくないし、薬が止められると思われる3~4年も待ってられない」と伝え、断薬すると伝える。


了承してもらい、「でも死にたくなったらいつでも連絡して下さい」と言われ、治療終了。



エビリファイを断薬して、23週間はそわそわする、どことなく不安、足がむずむずして眠れない程度で我慢できた。

その後、死にたい一色に変わる。


自殺未遂をしたときのような、冷静に死のうと思うのではなく、理由はないのに死にたい死にたいの一点張りで、心が言うことを聞かない感じ。過去の嫌な思い出ばかりを思い出し、後悔ばかりするようになる。

テレビや映画が見られなくなる(意味が分からなかった)。

毎日、実家の母に電話して死にたいと訴える。

朝起きたら気分がどん底、そこから死にたい一色の毎日を1ヶ月過ごす。




そんな中の年末年始、静岡内観研修所に駆け込み、集中内観を行う。(元々は、夫が行こうとしていたのをもしかしたら効くかもしれないと思い、私も申し込む)

すると、なぜか死にたいサイレンがなくなる(内観3~4日目くらいから)。不安感もおさまる。


さらに、家計簿が付けられるようになり、楽しいという感情が戻ってくる。テレビも段々見られるようになり、内容も理解できるようになる。



・2015年3月12日


危機的な状況は脱したものの、不安定な状態は相変わらずで、その他、集中力がないことや、頭が回らないこと(覚えられない)、物忘れが激しいこと等不安に感じ、誰かに相談したくなる(夫は多忙で、1日1時間くらいしか話す時間がないため)。


夫の健保の心の相談室や県のこころのホットラインに電話をかけてみるが、結論は「担当医に相談してみて下さい」。




・2015年3月20日

カウンセラーを紹介してもらおうと、〇〇マタニティ病院の元主治医に会いにいく。

断薬して5ヶ月間について根掘り葉掘り聞かれる。

「よく薬を止められたね、本当に凄いよ」と褒められる。

「まだ、不安定なところがあるからカウンセラーに相談したいので紹介してほしい」とお願いしたところ、うちでは紹介していない、ネットで自分で探せと言われる。

診察ともいえないのに、精神療法名目で1500円くらいとられて、やりきれなく思う。



・2015年4月6日


夫の健保の心の相談室にカウンセラーを紹介してもらう。診療情報提供書が一応必要とのことで、もう一度、〇〇マタニティ病院の元主治医に会いにいく。

私が(むしろ薬を飲んでいたときよりも)元気なことを伝えると、


「躁状態あったよね?」となぜか念を押される。「さぁ」と答え、診察修了。




割り切ってカウンセリングを受ける

・2015年4月10日

カウンセリング初回。

カウンセラーに私は鬱状態があったことは認めるけど、躁うつ病だとは思わないと言ったところ、「診療情報提供書にはトライアスロンにのめり込むなど躁状態がみられるって書かれてるわよ」とのこと。


躁うつ病ってそういうものなのか? そもそもトライアスロンにのめり込んだのは躁うつ病の治療を始めてからなのに……?


いろいろ疑問に思ったが、腹立たしいので考えるのを止めた。


精神分析が専門のカウンセラーなので、考え方の偏りを正しながら、日頃の相談に乗ってもらう内容で今後のカウンセリング方針が決まった。



⑤かこさんのブログにたどり着いた経緯
私もブログを始めhttp://ameblo.jp/yoshimi10k/  


(断薬が孤独だったので、離脱症状がおさまってきた2015//17から体験談などを書き始めました)、断薬について調べているうちに、かこさんのブログにたどり着きました。



私に本当に必要だったのは薬ではなかった

⑥現在の状態、今後についての思い

現在は、以前のようにひどく落ち込むことはありません。
金遣いが荒いのもおさまり、月々7万円ほどリボ払いをしていたのですが、それも今月なくなります。

扶養範囲内でしか働いていませんが、今までフルタイムで働いていても貯金ゼロだったのが、ようやく貯まり始めました。

男遊びもまったく興味がなくなり、アルコールも以前のように欲しなくなりました。
トライアスロンも止めました(これは妊娠したいからという事情もありますが、前のように大会に出たい思いはなくなりました)。
物を投げたり、大声を出したりすることもありません。


偏頭痛も便秘もありません。
手も震えないし、吃音もなくなりました。
万年風邪を引いた状態だったのが、今は一切ひかなくなりました。

薬を飲んでいたときは、一切家事をしていなかったのですが(夫に任せっきり)、今は食事はもちろん、洗濯、掃除も普通の主婦並みに出来ていると思います。

ただ、離脱症状なのか何なのか、集中力がまったくなくなり、頭には霧がかかったようになって、ついさっきのことも思い出せないし、覚えられないのです。

そんなわけで、今やっている在宅の仕事も全然成果を挙げられなくなり、おそらく今月末で契約終了になりそうです。

また、1人で家にいても寂しいので何らかの形で人と関わりたいのですが、どうやって喋ったらいいのか分からなくなってしまっていて、言葉も思うように出てこないので、困っています。


新たに仕事を探そうと思っているのですが、こんな状態で何が出来るのか、不安でいっぱいです。

なお、余談ですが、薬を飲み始めて20kg増えた体重は維持しています(運動してもなかなか減りません、涙)



こうやって振り返ってみると、私の場合は、本当に長期間にわたって薬を飲む必要があったのか、疑問に思います。


特に、薬を止めるために受診したのに、躁うつ病と診断されたあたりは疑問だらけです。


多剤大量処方でなくても、こんな人生を歩んでいる人もいるのだと、是非多くの方に知っていただきたいです。


単剤ならいいという最近の風潮はいかがかと思います。




私に本当に必要だったのは、薬ではなく、自分や他人の見方、感じ方を変えていくこと(偏っていることを認識していくこと)を助けてくれるカウンセリングや多様な生き方を認めてくれる社会構造だったと思います。



内観療法

 メールをいただき、まずTNさんには体験された「内観療法」について尋ねてみた。すると以下のようなお返事をいただいた。



内観は、内観そのものが効果あるのかは人によって違うかと思います(夫はあまり効果がなかったと言っています)。

ただ、薬を止められた方は多いと研修所の方に伺いました(ただ、そういったことはサブ的な効果なので、宣伝はしていないとのこと)。

内観そのもの以外によかったと思った点は、1週間のあいだ、テレビやネット、携帯電話のない環境に強制的に置かれ、家事から解放されて、暖かい食事、お風呂、清潔な布団が用意され、1人で家にいることが多い私にとって、孤独を感じさせない1.5時間に1回の面接や、その他生活音があるのは、ストレスが少なく、何か人に大切にされている感じを受けました。そういったものがよい働きをしたのかもしれません。

少なくとも、夫のように精神病院の閉鎖病棟で断薬するよりは、人間的に扱ってもらえると思います。あとはお金の問題です。



(内観療法についてはホームページを見ればおおよそのことはわかると思うので、ご自分でよく調べてください。決して勧めているわけではないことをお断りしておきます。)



 それにしてもTNさんの治療経過を見ると、最近流行りの「うつ病(抗うつ薬)から双極性障害(躁うつ病)という診断変更」をたどっており、これはどう見ても医原病である。

 最初から抗うつ薬3剤、その後躁転して、会社の人間関係のトラブル続きで仕事を失い、自殺未遂まで起こしてしまった。

その後断薬の相談に行ったところ、こうした経緯をお決まりの「双極性障害」ととらえて、エビリファイとデパケンの処方である。

 しかも、妊娠を希望しているのに、3,4年は飲まないといけないと医師は言ったが、そう言った医師が、今度は患者側から断薬を口にされるとすんなり了承して、治療終了……とは?

 自分で出した躁うつ病の診断はどうなるのか? 患者の提案を受け入れて、「勝手にどうぞ」とばかりに治療終了。そして、本当に断薬したと知ると「よくできたね」と感心しつつ、しかし、カウンセリングについては何も紹介できないので、自分で探せと突き放す。

 いったい、こうした行為のどこに「医療」があるのだろう? 

 このマタニティ病院の医師がやったことは、いま流行りの双極性障害診断を下し、その処方を行っただけである。



 彼女の場合、双極性障害としての治療では、確かに薬は多いわけではない。しかし、すでに抗うつ薬を長年飲んでおり、さらに「不必要な」薬を飲めば、単剤であろうと、脳は混乱をきたす。また、薬剤に対する強さ弱さも個人差があるので、単剤だからという理屈は、確かにTNさんが言うように通用しないだろう。

 そもそもの「うつ」という診断(抗うつ薬処方)から間違っていたとしか思えない。TNさん自ら書いているように、彼女に必要だったのはこうした薬ではなく、自分や他人の見方、感じ方を変えていくこと(偏っていることを認識していくこと)を助けてくれるカウンセリングや多様な生き方を認めてくれる社会構造だった。

 TNさんはおそらく優秀な人材である。

精神科とかかわった7年間を思い起こすのは辛い作業だったろう。しかし、まだ30代前半。いくらでも挽回できる。

 最後にTNさんもこう書いている。

「(薬の影響で)頭が悪くなった私でも、何か、お役に立てることがあるかもしれません。私も前向きに頑張ります」

 大丈夫、きっと時間とともに少しずつ回復していく。