読者の方から「CYP」についての情報をいただきました。

 統合失調症と診断されて10年になる娘さんをおもちのお母さん(仮にMさん)からです。

 

Mさんの娘さんはこの10年間、薬の副作用にかなり苦しめられ、主治医も困り果てていたが、結局なすすべなく、抗精神病薬を飲みつづけていました。

しかし、あまりの副作用に、最近、ご主人の提案で、代謝酵素を調べられたそうです。口内の粘膜を採取しての遺伝子レベルでの検査です。

その結果、娘さんは、CYP2D6 という代謝酵素が「解析不可能・または遺伝子を持っていない」ということがわかりました。


 それまで娘さんは、リスパダール PZC エビリファイ ジブレキサ などさまざまな抗精神病薬が処方されていましたが、これらはどれもCYP2D6で代謝される薬です。

 しかも、4年間ほど、ドグマチール400ミリレボトミン25ミリ(CYP2D6で代謝される)を飲み続け、この春、眼瞼痙攣を起こしてしまい、ボトックス注射を打つ羽目に。

幸い、注射が効いて、痙攣は治まりましたが、薬が効きすぎたためか、今でも笑顔になっても目が笑っていない状態だとか。

その後、主治医はドグマチールを断薬しましたが、代わりにPZC(代謝酵素は2D6)を処方。結局、またしても副作用を経験することになりました。


 主治医は代謝酵素については、あまり重要視するタイプではないように感じられたので、Mさんは、検査結果については、主治医にではなく担当薬剤師に相談して、薬剤師のほうから、主治医に意見をしてもらうつもりだとか。その方が 話が伝わりやすいのではないかと思うからです。


 現在処方されている薬は、3種類。そのうちの一つ、レボトミンは代謝酵素が2D6です。(他の2種類は、CYP3A4で代謝されるもの)

 レボトミンに関しては、薬剤師からは「量も少ないし、尿や汗で出るので、あまり心配はいらない」と説明されているそうですが、それでも副作用はかなり出ているといいます。再び眼瞼痙攣を起こしてしまったら、と心配の種は尽きないと……。


以上が、Mさんの娘さんの現在の状態である。

お酒をまったく飲めない人(アルコールを分解する酵素を元々持っていない人)に無理やりお酒を飲ませたら、どうなるかを考えれば、体質に合わない薬を飲み続けることが、どれほど「体によくないことか」は想像がつくだろう。

これまでも、薬を飲んでも副作用ばかりを経験するので、代謝酵素の関係か? と思われる人が数人いたが、こうして検査ではっきりさせることができれば、薬の選択の際、とても役立つだろうと思う。

そして、娘さんの場合、検査の結果、2D6を持っていないとはっきりしているのだから、やはりレボトミンは飲まないに越したことはないと思うのだが、はたして主治医が薬剤師の意見を受け入れるかどうか……。また、薬剤師が言うように、尿や汗で出るので心配いらない、というのをどの程度信用していいのか、私にはわからない。

そして、CYPに関しては結果がでたが、一般に薬物過敏ということなので、統合失調症……? と感じられる部分もあるし(Mさんは、おそらく間違いにないとおっしゃっているが)、薬の副作用で今もかなりたいへんな状態という話をうかがうと、いかんともしがたい気持ちになる。



ちなみに、Mさんが検査を依頼したところは以下の医療機関である。

これはあくまで一つの情報として、個人の責任で行動してください。


http://www.medibic.com/


(株式会社メディビック)


 このHPの「お薬体質検査」へ。

費用は、Mさんの場合、18000円とのこと。

キットを送ってくるので、綿棒に口内の粘膜をこすりつけて郵送すれば、一ヶ月くらいで結果が出るそうです。


追記

実は後日、このメディビックについては、さまざまな情報があることがわかりました(もちろんマイナスの)。

検査の精度に関してはわかりませんが、問題は別のところにあるようですので、一応紹介はしましたが、現在のところ、?マークつきであることをお含みおきください。