少し早いですが、このブログを始めて1年がたとうとしています。

 たった一年ですが、本当に多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございます。


 私がまだ、こうした向精神薬の問題が存在するということさえ知らなかった1年半ほど前のこと、自分の鈍感さと不勉強を恥じつつ、少しずつ本などを読み始め、半年後、それなら実態はどうなっているのかと被害者の方の生の声を集めようと思ったのがそもそもの始まりでした。

ブログのタイトルも「聞かせてください、あなたの体験」などという仰々しくもわかりやすいものにして、最初はまったく自分一人の世界、手探り状態のままスタートしたというのが正直なところです。

なにか反応があればいいな、くらいの構えでした。

 そして、いまブログの記事を振り返ったところ、ざっと数えて41人の方にこのブログに登場していただきました。

実際お会いして直接お話をうかがった方もいれば、メールで何度もやり取りをしたり、お送りいただいたものをほぼそのままの形で掲載した方もいます。

それ以外にも、コメント欄への書き込みやメッセージを送ってくださることでの参加の方も含めると、どれほどの数になるか……。私としては、ブログを始めた当初想像していた以上の多くの方々から反響をいただいたと思っています。

 それはとりもなおさず、この問題がこれまでいかに放置されてきたかを物語るものであり、さらに、薬に限らず、精神科病院のあり方にまで話題が広がり、この問題の根の深さを思い知らされるものでありました。


 知れば知るほど唖然とするような事実にぶつかり、あまりの明々白々の「医療の杜撰さ」に言葉を失う場面がいかに多かったことか。

 さいわい体験談を過去のこととして語れる人もいれば、いまなお苦しみのただ中にいる人、離脱症状、後遺症ともいえる症状に苦しむ人――それでもなお、自らの体験談を語ることで、自分と同じような苦しみを味わってほしくないと、当事者でもない私に向かって、多くのことを吐露してくださった方々の気持ちに対して、このブログは、そして私はいったい何ができたのだろうかと考え込んでしまいます。

 約一周年を迎えて、そうした気持ちはますます大きくなり、これを一つの区切りに多少の方向転換をはかりつつ、さらなる道を探っていきたいと思っています。

 ただ、私の中では、やはり、被害者が声を挙げ続けること、この一線は守り続けたい姿勢です。それが当事者でない私の唯一の生命線ですから。


 Kakosan3@gmail.com