大学4年生の男性から被害の報告が届きましたので、掲載させていただきます。


「初めまして。 現在、就職活動中の大学4年生です。

あなたのブログや姿勢に共感しましたので、激励と、恐縮ですが自身の体験談を添えさせていただきます。

また、投薬中や断薬中は症状や経過の記録をしていませんでしたので、時系列が曖昧であったり、主観的表現になってしまうことをお許しください。


ほんの軽い気持ちで受診

以前の私は、精神科や心療内科といったものにまったく縁のない人間だと自他共に認めていました。

高校3年生までは大病経験もなく、活発で明るく、心身ともに健康でした。

受験の追いこみ期に、父が心労で倒れたりと、いろいろなことが重なり、体の不調が表れてきました。体の不調は局所的なもの(肛門)だったので、すぐに該当する科で診てもらいましたが、異常なしと診断されました。

その当時、父は近くにある大きめの心療内科に入院することになりまして、「ついでにお前も診てもらえば?」と母に提案され、「試しに行ってみるか……」と軽い気持ちで足を踏み入れたのがそもそもの始まりでした。

無機質な外観に少し躊躇したものの、いざ中に入ると、小奇麗な受付と爽やかな印象のドクターや看護師がうろついていることに少し安堵したのを覚えています。

担当医に経緯を話した結果、パキシル10mgを一週間分処方されました。(もちろん離脱症状の出現や作用・効果の説明はない)

その時の診断は、神経過敏からくるものだろうとのことでした。

用法・用量通りに飲んでいくと2・3日で症状がなくなっていくのを実感しました。まるで魔法の薬だと嬉々としたのを覚えています。

しかし、これが悪魔の薬だと痛感するのにそう時間はかかりませんでした。


「一生、飲み続けるしかない」と医師に言われて

その後もパキシルの服用を続けると、吐き気やめまいといった副作用が出始めました。

薬の副作用を初めて経験して怖くなり、パキシルについてインターネットで調べていくと、離脱症状を伴う、服薬期間の長い(一定ごとに増量し、薬との兼ね合いや相性を確かめる)薬であるという記述に驚きました。

症状は軽度で、一過性のものと考えていたので、自分の判断で投薬中止をしてしまいました。

それから少し経って、体に様々な異常が出てきました。

シャンビリといわれる経験者しかわからない特有の不快感、高熱時のだるさ、意思疎通がままならない混濁状態になったのを覚えています。

這うようにして処方してくれた病院へ行ったら、担当医はいなくなっていました。

なので、やむなく違う医師に診察してもらったら、今度は片頭痛とのこと……。

首を傾げる隙も与えてもらえず、「一生パキシルや他の向精神薬とつきあっていくしかない」と言われました。

この時、初めて精神医療に強烈な不信感を感じました。

一縷の望みを託してセカンドオピニオンをしたのですが、さらにいい加減な医師に当たってしまいました(多剤大量処方で3分診療)

しかし、他に頼るところもなく、その医院で医師をかえてもらい、ずるずると抗うつ剤や睡眠薬を飲み続けてしまいました。

服薬中の具体的な描写は長くなりそうなので割愛させてもらいますが、攻撃的になって周りに危害を加えたり、死にたくなって自傷したり、性欲・食欲・睡眠欲がなくなったりと、どこにでもある抗うつ剤の副作用に悩まされました。


精神医療のずさんさに怒りを覚える

薬漬けで体も頭も動かなくなる前に、奮起して死に物狂いで断薬しましたが、時すでに遅し……といった感じです。

ちょっとインターネットで周りを見渡してみると、どこもずさんな状態だとわかります。

皮肉にも、私みたいな考え方や意見を持つ人が当時よりも数段に増えていて、勇気ある人達がメディアを通して訴えているのをみかけるようになりました。

体調も優れず、まともな思考もできてない人(例えば、過度な薬剤治療に疑問を抱きつつも、医師を信じてやむなく合わない薬を飲んでいる人)もいるでしょう。

医師や周りにおかしいと感じて伝えても、おかしな人扱いされたり、うつや統合失調症が悪化したと思われ終わってしまう人もいるでしょう。

こんな風に、少し考えただけでも精神医療の犠牲者は相当数にのぼるでしょう。

抗うつ剤の離脱症状は未経験者が想像しようとしてもできません。まさに想像を絶するものです。

そんな薬を安易に処方する医師が許せないと私自身思うし、インターネットでもそのような書き込みをよく見かけます。

しかし、最近ではこう考えるようになりました。

医師は、抗うつ剤や向精神薬のマニュアル通りに処方しているだけで、本当に憎むべきは製薬会社だと。

いや、もっと言うと精神医療の構造的欠陥と考えられます。

身をもって精神医療を体験してから、すでに3年が経ちました。

離脱症状はある程度快方してきましたが、一進一退を繰り返し、今でも完治はしていません。治らないものと半ばあきらめています。

今までは学生ということで余裕がありましたが、これから就職すると考えるとぞっとします。就職活動さえままならない状況です。

それと、父が未だに入院先の医院に外来で通っているのですが、これも不安材料も一つです。

将来のことを考えては憂いてばかりです。」


この方の場合も、ほんのちょっとしたことから心療内科を受診し、処方された薬の副作用から薬を止めると、今度は離脱症状があらわれて、再び服薬してしまうという道をたどっています。そしてさらなる副作用があらわれて、決意して断薬するもその後の状態は芳しくない。

この方に限らず、多くの方がほとんど同じような経過をたどります。

医師は、何人も患者を診、薬を処方して、その患者がどうなっていったかを知っているはずです。にもかかわらず、そうした経験がその後の治療にまったく生かされることなく、同じ過ちを繰り返し続けているというわけです。

この方の場合、20歳になるかならずで受診して、医師はパキシルを処方しました。そして、副作用がでたところで再び受診すると処方した医師はすでにおらず、別の担当医から「一生薬と付き合っていくしかない」と宣告される。

まだ20歳にもなっていないのに、「一生」とは……。

なんという無責任でアンフェアな構図かと思います。そうやって放り出された患者はひたすら自分でその尻拭いに奔走しなければならないのです。悪戦苦闘し、結局は断薬の苦しみにひとりで耐えて、泣き寝入りさせられる。

もう何度も何度も言ってきたことですが、これはやはり「医療」というものからはほど遠い、悪質な茶番です。そして、その代償を払わされるのは、いつもいつも患者のほうです。

いつまでこんな「医療」を続けるのでしょうか。

被害の報告をお寄せ下さい。

kakosan3@gmail.com