山桜さんは前回のブログにも書いたように、当時はリタリンのほか、炭酸リチウム、トリプタノール(三環系抗うつ薬)、デパス(抗不安薬)、イミプラミン(三環系抗うつ薬)等も処方されていた。したがって、前回の症状は、リタリン単独のエピソードとは言い切れず、これらの向精神薬が複合して起こした異常行動だった可能性もある。

 以下は山桜さん自身が、炭酸リチウム、トリプタノールについて書いてきた文章である。




炭酸リチウム

炭酸リチウムは躁の状態に効くとして、躁うつ病と診断された人に処方されることが多い。

ところが、いろいろ実際処方されている方に聞いてみると、うつ状態の方にも処方されている。この薬の薬理効果を見て、本当に体にあっているのか、考えてください。



1.炭酸リチウムは甲状腺ホルモンの吸収を阻害する働きがある。服用していると甲状腺機能低下症になる人も多い

疲れやすくなる。朝なかなか起きられない。手足の冷え。寒さに弱い。肌荒れ、乾癬、湿疹。繰り返し感染症にかかる。便秘、生理不順、生理前症候群、不妊、動脈硬化症、肥満、低血糖、汗が出ない。爪のひび割れ。記憶力の低下。ふさぎ、頭痛、卵巣のう腫、体力の低下。

甲状腺ホルモン低下症といわなくても、ホルモンの吸収が阻害されるので、以上のような症状は出てきます。



2、また炭酸リチウムは、イノシトールを阻害する。

イノシトールは体内の脂肪が肝臓に蓄積しないようにコントロールする働きがある。

さらにもう一つの重要な働きは、神経の働きを正常に保つこと

イノシトールは同じくビタミンBの一種であるコリンと結合してレシチンというリン脂質になる。リン脂質は細胞膜に含まれている成分で、特に神経細胞の膜に多く含まれている。

このリン脂質は脳細胞に栄養を供給したり、神経の働きを正常に保つ働きがある。



また、炭酸リチウムにはリチウム中毒がある。

軽症の場合は、多尿、胃腸症状(食欲不振、悪心、嘔吐、下痢)、精神神経症状(無気力、記銘力障害、振戦、筋脱力)など。

重度になれば、運動失調、痙攣、精神錯乱、昏迷、昏睡で死に至ることもある。また白血球増多、洞性徐脈、低血圧、甲状腺腫(機能亢進症は伴わない)



つまり、この薬は脳の正常な働きを促すというより、甲状腺ホルモンの働きを阻害して、ただ元気を失わせるだけのように思います。うつ状態の人にこういった薬を処方するのはなぜなのでしょう? また、リチウム中毒も恐ろしいもので、アメリカではリチウム塩で死者も出ています。 

私の診断は「躁うつ病」でした。だから、この薬が処方されたのでしょうが、診察のとき、家族関係の悩みを話しただけです。それだけでなぜ躁うつ病なのでしょう。まったくわかりません。

それに、この薬を服用したからといって、家族への不満が消えるわけでもなく、円満にするにはどうしたらいいのか困っているのに、こんな薬で体調を崩させて、さらに家族関係は悪くなってしまいました。




トリプタノール(最強の抗うつ剤)

トリプタノールについて、数年前にこんな記事を見つけました。



「やさしくなって」教諭の給食に最強抗うつ剤混入、栃木の中3女子生徒 / (06-04-26 14:35)

栃木県那須烏山市で18日、中学3年の女子生徒2人(ともに14歳)が教諭の給食に抗うつ剤の「トリプタノール」を混入し、教諭が体調を崩して学校を2日間休んでいたことがわかった。



県教委などによると、女子生徒2人は18日の給食の際、なめこ汁に「トリプタノール」3錠をすりつぶして混ぜ、教諭の席に運んだ。教諭は同日夕から眠気やだるさなど体調に異変を感じ、19日と24日、学校を休んだ。

2人は給食当番ではなく、友人に「いたずらで薬を混ぜた」と話していたことなどから 問題が発覚した。2人は「(別の)同級生から5錠を25円で買った」と話しているという。この女子生徒2人はトリプタノール3錠をすりつぶし、担任男性教諭(39)のなめこ汁に入れた。

理由について2人は「自分たちだけが担任から注意を受けていると思った。薬は心が安らぐ効用があると聞いたので、それを飲んで自分たちにも優しくなってほしかった」と話しているという。



トリプタノールは一般的な抗うつ剤として知られ、効き目の高さから最強の抗うつ剤ともいわれている。一方でめまい、立ちくらみなどの副作用があり、重い場合、セロトニン症候群や心筋梗塞を引き起こすケースもある。作用が強い半面、中枢性抗コリン性副作用や性機能障害・短期記憶障害など副作用もでやすい。



同剤は別の女子生徒(14)が不眠症改善のためにインターネットで購入。10錠を500円で購入したところ、90錠が過剰に送られてきたため、2人に5錠25円で売ったらしい。この女子生徒は責任を感じたのか、18日夜に20錠を服用し、翌朝救急車で搬送された。



私が飲まされていた抗うつ薬のトリプタノールは、眠気・だるさを引き起こす。睡眠薬としても使われている。

しかし、そもそも抗うつ薬とはうつの症状を改善するものではないのか。それなのにうつの症状と変わらない眠気・だるさを引き起こす薬をうつ状態の人に飲ませるなんてと疑問に思います。

家族の不満を述べて、なぜトリプタノールを処方されたのか?

抗うつ薬といい、リチウムといい、すべて心身の活動を妨げるものではないですか。




薬の知識があれば……

患者が何も薬に対して知識がないからといいあまりにもひどい処方です。風邪であれば、「熱を下げる」など、薬についてどういった効能があるか話しますが、私がかかった医師は何も話しませんでした。医師に質問すべきだったのでしょうが、質問するような予備知識もありませんでした。

その後、薬の本を買って読みましたが、どれも「安全」ばかりを強調していました。医師も副作用の話はしません。血液検査もされましたが、その目的も告げられませんでした。いま考えると、悔しい思いと後悔が自分を覆います。




たしかに、家族のいざこざは話すとすっきりしました。人には言えず、話すことで家族に言い返したような満足感がありました。躁うつ病の診断をした医師には、(教師の)仕事のことは触れませんでした。また、当時は疲れていなかったし、睡眠もとれていました。

はっきり言って、受診時はこれっといった心身の不調はなかったのです。ただちょっと本で読んだことが気になって、自分に当てはめて考えてしまっただけです。

躁うつ病でよく言われるような浪費もなし、仕事上でも欠勤も遅刻もなく、朝は食事を作り、帰宅をしたら食事を作る規則正しい生活でした。



だから、受診して2、3ヶ月も過ぎれば、躁うつ病のレッテルも取れると思っていました。その矢先、抗躁剤(炭酸リチウム)になってから体調が急激におかしくなったように思います。


私はどんな効果のために飲むのか説明も、また自分が躁うつ病だと診断されたその根拠も全く聞いていません。

いえることは、薬を処方されて精神に異常をきたしたという事実しかありません。また、薬を服用することで徐々に躁鬱の状態になっていったという事実です。

躁うつ病だったのではなく、薬を飲むことで、本当に躁うつ病のようになってしまったのです。



転院先の病院でも私は家族とのことを話しましたが、

「家庭のことは家庭相談所に相談しなさい。あなたがおかしいのではなく、家族がおかしいです」ときっぱり言われ、医師は精神疾患のレッテルを貼りませんでした。

この医師が、薬の離脱症状の知識を持っていれば、最後救われたのですが、非常に残念です。



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とあるように、山桜さんはこの転院先で、これまで服用していた向精神薬をすべてを一気に断薬させられることなる。

その離脱症状は想像を絶するものだった。