日焼け止めについて | ももせ皮膚科のよもやま

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最近診察の中で”日焼け止めは何が良いですか?”というご質問が増えています。短い診察時間ではお伝えしきれないので、今日はこの話題を書いてみます。

 

日焼け止めは薬剤ではないので処方できません。市販で売っているものを買って頂く必要があります。

 

SPF値、PA値がどうこうというよりも、

要は

”使いやすいものを選ぶ”

です。

 

日焼け止めはたっぷり塗ってかつ、1日に何度か塗り足さないと効果が出ません。なので、塗りやすいものかぶれないもの落とすの擦らなくても良いもの、価格的に普段使って負担にならないもの、を選んで下さい。

 

以上で終わってしまったら皮膚科医らしくないので、もう少し深掘りします。

 

SPF値はUVBはUVBを防ぐ指標。高いほど赤くなる日焼けを防ぐ効果が高いものです。

PA値はUVAを防ぐ指標。しみやしわを防ぐ効果の指標です。

日焼け止めを選ぶ際の一つの指標になります。両値が高いほど効果が高いことになりますが、高いほど皮膚への負担が大きくなる場合があります。普段使いなのか、レジャーで使うのかなど、用途によって選ぶのも方法です。数値が高いほど長時間もつというのが理論ですが、実際は汗かいたり服で擦れてるなどで落ちるので、こまめな塗り直しが必要であることには変わりありません。

塗る際にとても大切なのが使用感です。効果だけを考えたらしっかり皮膚に留まっているクリームタイプがおすすめです。しかし、その分ベタつきやヌルヌル感が出ます。何度も触れますが、1日に何度も塗り直す必要があるので、好みの塗りやすさを見つけることが大切です。

プールや汗などの水で落ちにくいタイプとして”ウオータープルーフ”がありますが、これは種類により様々で目安程度に考えた方が良さそうです。ウオータープルーフと記載のあるものでもすぐ落ちてしまうものがあるようです。しつこいですが、ウオータープルーフのものでも、何度も塗り足して下さいね。

お子様用の日焼け止めは大人用に比べて、伸びが良くて塗りやすい、ノンケミカル(紫外線吸収剤を含まずに、皮膚に優しい)、SFFとPA値は低いものが多いです。皮膚が強いお子様は大人用を使っても構いませんが、弱いお子様はお子様用のものの方が良いと思います。

 

日焼け止めを塗ると落とす必要があります。石鹸で軽く落ちるものの方が皮膚には優しいです。中にはクレンジングを使わないと落ちないものもあります。落とす際には、以前から何度も何度もお伝えしているように、”擦らない”ようにして下さい。

お値段もぴんからきりまであります。高ければ良いとは限りませんので、毎日使っている方は続けられるものを選んで下さい。