◇院長休診
●11/9(木)11:30〜12:30、15:00〜16:00
●11/27(月)午前上記の時間帯において、手島院長は都合により休診いたします。院長休診中は、非常勤医師(形成外科医)が診療いたします。
ご不便をおかけし大変申し訳ありませんが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
今年も負けられない戦いの日がやってきました。
そう、おとなが年に一度邂逅する四字熟語
『健・康・診・断』!
今日のブログは、ルポ『健診2023』風にお送りします。
年々衰える視力や、気を抜くといとも容易くうなぎのぼる体重も気がかりではあるが、私にとって1番の課題は“採血一発成功してもらえるか否か”。
血管見えない族の民にとってクオリティ・オブ・健診の優劣は針を刺される回数で決まると言っても過言ではない。
過去20回ほど受けてきた健診の採血コーナーで、担当看護師が眉をひそめるのはほぼ毎回、選手交代10回超、3回刺されたのも5回超。気持ち悪くなった訳でも無いのにベッドに寝かされ両腕ホットタオルで温められ10分放置され健診センターの天井を眺めた経験まですると、さすがに運を天と採血相手に任せておくだけで『良き採血』を受けられるとは思えなくなる。
必要に迫られた私は、過去の経験を礎として『健診採血勝利の方程式』を編み出すべく傾向と対策を研究するようになった。
まず健診を受ける季節が大事。
夏の暑い季節は発汗が多く、脱水で血管がへたりやすい。
冬の寒い時期になると、冷え性の私の血管は収縮する。
春は健診センターも多忙、かつ新人ナースも多いので技術的な未熟さに不安がある。
従ってベストシーズンは秋。
また、私は元々血圧が低いため、睡眠不足や体調不良は禁物。2週間ほど前からアップを始め、十分に『整えた』状態で臨む必要がある。健診前日や当日の飲食制限には従う必要があるが、ギリギリまで水分摂取を心がけ、血管内ボリュームが減るのを防ぐ。
以上の入念な準備を行なってなお、最も重要なのが【採血ナースとの駆け引き】。
私の腕で最も採血成功率が高いのは右の肘正中皮静脈。だから迷わず右腕を出す。
しかしこの血管、肘の真ん中をほぼ真横に走っており、かつ目に見えて隆々としている訳ではない。
サラッ腕を見て触れた程度で“イケる”と確信できるような強者は少ない。
従って多くは
「そちらの腕も見せていただけますか?」
と宣いチェックを要求する。
そして左腕の尺側皮静脈がうっすらと青く見えるのを認め
「こちらのほうが、取れやすそうですね…」
と心動かされるのだ。
だが、騙されてはいけない。その血管は逃げる。
そして神経の近傍を走っているので、探るうちに神経に障り、痛みで余計に血管が収縮する。
挑むのは得策でない。これまでに何名の敗者を見送ってきたと思う。残されるのは肩を落とすナースと内出血で痛む左腕。そんな過去の焼き直しを私は見たくない。
針を刺す側も刺される側も望みはひとつ。
「できることなら一回で済ませたい」
同じ目標に向かう我々は言わば同志。ここで私が取るべき行動は、相手に任せきることでも失敗すんじゃ無いぞゴルァと威圧することでもない。
左腕をスッと引き柔らかく微笑みながら
「そうですね、でもこちらの腕のほうが、皆さん採りやすいようですよ。」
と再度右腕を差し出す。
左腕を名残惜しそうに見送るナースに
「右肘の真ん中のここ、ここをほぼ横方向に走る血管。上腕をしめると出てきます。」
と穏やかに伝え、二の腕に駆血帯を巻かれたら言われる前に腕を下げて全力でグーパー。
顔は笑顔でも腕は全力でグーパー。
静脈を十分に膨らましてから腕を上げ、再度
「ここ、ほらここに、触れます。針をかなり斜めの方向に刺すと丁度良い具合に入ります。」
と念押し。もう暗示レベル。
その昔小児科医に点滴取りの極意を尋ねたとき
“そこに血管があると信じて刺すのみ”
という答えだったことを思い出す。そう、そこにあると信じて刺すのが大事。レッツゴー。
ナース氏、言われるがままに斜めに構え、針イン!血液バックフローゲット!!
Congratulations!!!
明らかにホッとするナース氏。私も達成感に満ちた気持ちで、採血ブースを後にした。
そんな今年の健康診断。
皆さんも受けてくださいね♡
#健診2023