●1月の手島院長休診日はありません
こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
陥入爪は
「皮膚に小さな傷がつく」
ことから始まり
重症の陥入爪は
「爪というなまくら刀が傷に刺さり続けた状態」
であるという説明を、前回いたしました。
当院には陥入爪で受診する患者さんがたくさんおられますが
重症のかたはそのうちごく一部です。
重症例によくある気の毒な過去
重症のかたは、ほぼ100%が少なくとも2か月以上陥入爪状態で生活を続けていて
その中の半数以上は、当院を受診する前にも他所で治療を受けています。
拝見していて、
それは気の毒に....
と思うのは
「前の皮膚科で、週に1回通院して、傷を消毒して薬を塗ってもらうのを〇ヶ月続けたのですが、ジクジクしたのは全然良くならなくて」
という患者さんです。
この中の『傷を消毒して薬を塗ってもらって』が
『液体窒素でジクジクしたところを焼いてもらって』であることもありますが
いずれの場合も私がツッコミをいれたいのは
前の医者、なんで刺さった爪のほうを何とかしてやらんのかい
という点です。
様子のわからない初診のときは仕方ないと思いますよ。
でも、それを何か月も続けるってどうなのよ、と。
炎症が長引くことによるデメリット
前回記事の繰り返しになりますが、陥入爪の治療では
「傷口に爪が食い込んだ状態」を無くすことが絶対的に必要です。
周りの皮膚のほうを何とかしようとしても、食い込みが改善しないのであれば、
可及的速やかに、刺さった爪のほうを何とかする方針に転じるべきです。
そして、炎症が早く引くようにしてあげなければいけません。
なぜ、炎症を早く引かせる必要があるのか。
その理由は、炎症が長引けば長引くほど、周囲の皮膚は健常なしなやかさを失い
固く、脆く、不健康な組織に変わって行ってしまうからです。
それは、治療をしても傷の治りの悪い指になるということであり
また、陥入爪の再発が起こりやすい指になってしまうということでもあります。
そのような状態に陥る前に、適切に治療の舵取りをするのが、医者の役目だと私は思います。
自分は爪を切ったり、陥入爪の手術をしたりが苦手な医者だと自覚しているのであれば、
それができる施設に紹介してさしあげてほしい。
何よりも、患者さんのために。
陥入爪記事、続きます。