こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
前回記事の続きです。
梅毒って、「古い病気」というイメージが強くて
「おじいさん世代がその昔かかったことがあるとかないとか」
くらいの認識の人も多いんじゃないかと思うのですが
驚くなかれ
という様子が、グラフから明らかです。
これは、梅毒が「性感染症である」という事実を踏まえれば当たり前のことで
そりゃSEXする年代でうつるわな
って話です。
ただ
性感染症=SEXしなけりゃ大丈夫
というのはこれまた誤解でして、例えば同じく性感染症であるHIVは、通常キスでは感染しませんが、
梅毒の場合、口腔内に梅毒による出来物があれば
キスでもうつります。
ねじねじねじねじ
この菌が、皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染し、侵入部位に皮膚や粘膜に病変を形成するまでに、3週間ほど。
形成される初期病変は「初期硬結」や、それが崩れて潰瘍となる「硬性下疳」と呼ばれ
見た目の割に痛くない
のが最大の特徴なのだそうです。
「痛くないから、なかなか病変に気がつかないし、
気がついても、痛くないからSEXはできちゃう。
だから、感染の連鎖が起こる。」
という、講師の先生の言葉に、なるほどー!と思いました。
研修会は、医師向けのものであり、次々に症例写真も出してくださって、大変勉強になりました。
もちろん、ここに掲載することまかり成らぬ写真のオンパレードですので(爆)、その引用は差し控えます。
情けない話、私自身は現時点で、梅毒診療の経験値が限りなくプアです。
初期病変を、間違いなく早期診断する自信もありません。
ただ、若い女性が、陰部に病変を見つけたとき
一番ハードル低く受診できるのは
婦人科や泌尿器科ではなく、皮膚科、しかも女医
なのではないかと思うのです。
だからこそ私も、目を養っておく必要があるし、そう思って診療に当たらなければならないなと、強く感じた研修会でした。
そうそう、もうひとつ一般のかたに知っておいて欲しいのが、
東京都内では、保健所等で、匿名&無料で、HIVと梅毒の検査を受けられる、ということ。
病院受診はちょっと気遅れがするし、料金も心配…というかたは、気になることがあればまず保健所を利用するのもアリだと思います!
最後に、研修会で講師の先生が掲げていた
「性感染症 予防の基本」に
わたしが少々アレンジを加えたものを
こちらに挙げておきます。
① コンドームは避妊と感染予防の基本。最初から最後まで着けとけ。
② オーラルでもうつります。下手すりゃキスでもうつります。
③ この人なら安心、は無いものと思え。
④ 怪しいと思ったら受診。
以上、梅毒診療経験に乏しい医者だからこそ
素人(に近い)目線でお伝えしてみました。
皆さんの性の健康を祈りつつ。