こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
昨日の記事で、タコやウオノメの話に触れて
蘇ってきた研修医時代の記憶がひとつ。
当時私は研修医1年目、まごうかたなき
THE ぺーぺー。
大学病院の形成外科医局で日々の任務を遂行しておりました。
入院している患者さんの処置に当たるときも、基本は指導してくれる先輩医師と一緒。
カルテへの記入は主に研修医が担当します。
所見を記入するのも勉強のうちですからね。
当時、カルテはPCではなく、古式ゆかしい紙カルテでした。懐かしや。
さて、とある日の病棟回診で、1人の患者さんが
「歩くとウオノメが痛いんです」
とおっしゃいました。
ウオノメは、くさび型に増殖した角質の塊で、圧迫されると周囲の組織を刺激して痛みを伴います。
角質の塊それ自体に、神経は入っていません。
なので、とくに麻酔などせずとも、除去することは可能です。
形成外科医としての研鑽を積んだ先輩医師が、手際よくその場で速やかにウオノメを除去しました。
「これも、あとでカルテに書いといてね。」
指示を受け、はい!と素直にお返事したぺーぺーの私。
後ほどカルテにさらさらっと処置内容を記載し、まだまだたくさん残っている研修医業務(雑用とも言う)を完了するべく病棟を離れました。
この時、一抹の違和感を感じたものの、その正体は不明だったため放置。
いつも通り、バタバタと慌ただしい1日の勤務は夜遅くまで続きましたが
仕事を終えて帰宅し、風呂に入ってさあ寝るべ、となったとき、なぜか突然日中書いたカルテの文面が頭に思い浮かびました。
「〇〇さん
△月▲日 術後経過に問題無し。魚眼処置施行。」
魚眼
いや!違う!!
鶏眼じゃん!
ハイそうです。
医学用語におけるウオノメは
鶏眼
と申します。
当然ですが、カルテ記載の際には正しく医学用語を用いるよう指導されます。
おそらく、この程度のことで先輩医師にガチで怒られることはまず無いものの
ニワトリとサカナを間違えたというこのなんとも言えない恥ずかしさに身悶えした私は
翌朝、普段より1時間くらい早く出勤し
人目につく前にカルテを改竄したのでした。
嗚呼ぺーぺー。
その哀しいまでのプライドの小ささよ。
まあ、そんな時代もあったってことで。