待つのも大事 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

こんにちは。

 

もものマークのクリニック 院長てしまですもも

 

 

今日は、ひさびさに傷跡のお話し。


かわいいわが子が顔にけがをしたら

自分の体の目立つ場所に傷がついたら

 

そりゃ、気になりますよね。

 

出来るだけのことはし(てあげ)たい

 

 

というその気持ちも、わかります。


 

うちは、町医者には珍しく『形成外科』を看板に掲げているし

ホームページやブログでも、傷の治療に力を入れているのが明白なので

 

傷跡の相談の患者さんも、たくさん受診してくださいます。


 

傷跡には

 

これは医療の力を借りたほうがよかろう

 

というものも、確かにあります。

 

例えば、ケロイドや肥厚性瘢痕など

 

生体組織の過剰反応で傷跡がもりもり盛り上がり

かゆかったり、痛かったり

見た目にも「これはさすがに何とかして差し上げたいなあ」

という状態。


他には、瘢痕拘縮といって

傷跡がひきつれて、四肢の関節が十分に伸びなくなってしまったり、目や口などが開きにくくなってしまったりしている状態。


そのほかに思いつくものとしては

 

怪我をしたときにアスファルトの粉などが傷に入り込み、色素が残ってしまう

外傷性刺青(怪我で入れ墨状態になった、ということ)などもあります。

 

いずれも、もちろん限界はあるものの

保険医療である程度改善は見込めるので

 

わたしもわたしのできることを、しっかり説明させていただいて

治療するしないの選択を患者さんと相談します。

 

 

ただね

傷跡の相談に来てくださる患者さんのうち大多数は

決してそういった異常事態ではなく


今のその赤みも
ちょっと固いなあという触り心地も
赤みを過ぎて、茶色っぽく色素沈着している時期も


まずは、待つしかない

 

ということが、すごく多い。


もちろん、受診してくださった患者さんには
それぞれの傷跡の状態に合わせて
今後予想される経過を説明するように心がけておりますが

 

「時間がいちばんの薬」なのですよ。

 

っていうわたしのコメントに対する患者さんの反応

 

たいてい、めっちゃ不満そうだから(苦笑)

 


頑張れば、よりきれいな状態に戻せる!

 

と信じたい気持ちは、わからないでもないけれど

それが過剰なのはどうかと思うなあ。

 


「怪我しちゃった」

という事実をまずは受け入れて

 

そこから派生するもろもろの事象に対しては

「これ以上思い悩むのは時間がもったいない」と思いきるのも

 

精神衛生上(および時間的金銭的コスト上も)大事なんじゃないかなあ。

 

 

 

世の中

「これを使えば傷跡がキレイに!!アップ

と謳った塗り薬や飲み薬はあれこれ見かけるけれど


正直、塗り薬や飲み薬程度で良くなるモンは、ほっといたって良くなってると思う。


それは、人の体に備わった力で、徐々に跡がなじんでくるわけで

 

薬に感謝するより、自分の体に感謝しろよ

 

と言いたいぞ私は。


 

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