《症例写真》3歳女児 かかとのスポーク損傷~走り回っても大丈夫! | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪


こんにちは。

もものマークのクリニック 院長てしまですもも


自転車の後ろにこどもを乗せて走るパパさん&ママさん

子育て真っ最中!!
な光景ですね


とはいえ、私がこどもだったウン十年前の子乗せ補助席と
今のそれとはずいぶん違っています

これとか矢印



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初めて見たときは
王様のイスか!?え゛!
と驚愕しましたが

今じゃ当たり前になりましたね。


以前は、補助席なしでこどもを乗せるのも、決して珍しい光景ではありませんでしたが

あれは、甚だしく危険です。

倒れて投げ出されるのはもちろんですが

こどもの足が車輪に巻き込まれることがあるから




足が巻き込まれ、かかとやアキレス腱部が回る車輪のスポークで
ガガガガガッと繰り返し殴打され
皮膚組織がかなりのダメージを受けるのです。

このような怪我を「スポーク損傷」と呼びます。

今回の患者さんはそんな怪我の女の子。

お盆休みで親の実家に帰省中、右かかとが自転車の後輪に巻き込まれ怪我をしました。
現地の病院では
消毒+軟膏+ガーゼの古式ゆかしい治療法


しかし、東京に戻ってから大きな病院を受診したものの
治療はやっぱり
消毒+軟膏+ガーゼ

ガーゼが分厚くて靴も履けず、歩けばすぐにガーゼがずれるので本人イライラ
ガーゼがずれて傷が感染したらと心配でお母さんもイライラ

おまけになんだか全然良くなるように見えないし!!

とここで不安になりネットで調べて湿潤治療にヒット。


怪我してから2週間ほどで当院を受診しました。

矢印初診時




かかとの傷には白っぽくいかにも血流の悪そうな組織が付着しています

これが取れてこないと、なかなか創治癒が進みません
このようなダメ組織を融かして浮かせて除去するには
湿潤治療が一番!

傷から出てくる滲出液はそこそこ多い様子だったので
ハイドロコロイドシールでは太刀打ちできそうに無い。

でも、何より本人と親御さんの希望である
「普通の靴をはいて歩けるように。」
を叶えてあげたかったので
薄手だけれど吸収力もそこそこあるプラスモイストで保護することに。

おうちはあまり近くなかったので
再診は1週間後でいいですよとお話しました。



2日後に受診。

何か問題勃発か??

とドッキリしましたがそうではなく、親御さん
「処置が上手く出来ているか心配」
とのことでの来院でした。

うちのクリニックでは看護師が、自宅での処置方法をかなり丁寧に説明していますが
やっぱり自分でやってみると色々難しかったり、疑問が出てきたりするものです。
それに、受診中は緊張もあってフワフワしていて話を聞いているようで聞いていなかったり(笑)

まあ、それも仕方ない。
だって、傷の治療では初心者だもの。
しかもかわいい娘さんの怪我で、すでに2週間近くが経過し、病院もうちで3軒目とあっては

疲れてボーっとしても仕方ないよねと。

幸い傷の状態には全く問題が無く、
自宅での処置も綺麗に上手にしてくださっていたので

「大丈夫!100点満点!!


と勇気付け、分かりにくかったところを再確認して終了。

で、次の来院日の指示をする際

「この状態なら通常1週間後で大丈夫ですが
心配ならその前に来院してくださっても、こちらは構いませんよ~。」


とお話しました。

その後も、1、2回は数日おきに受診されていましたが
親御さんも徐々に自信がついたのか来院間隔も開いていきました。

何より、お子さんがストレスフリーなのが親御さんにとっても良かったみたい。

痛がらず、靴を履けて、幼稚園にも行けて
走り回っても全然OK~ですからね


傷は、周りにあせもができたりしつつも、順調に治癒に向かい...

矢印初診から約2週間

傷はかなり小さくなりました




矢印初診から1ヶ月
無事ふさがりました


まだ傷跡は固く、表面も弱いので、薄手の保護剤は継続です。

患者さんのお母さんの言葉が印象的でした。

「湿潤治療になってしばらく経ったら
傷がぐんぐん良くなる様子が実感できて
毎日家で処置で取り替えるたびに
じっくり眺めて感動しちゃいました!


最初、あれだけ不安で不安で仕方のなかったお母さんからこのたくましい言葉!
うれしいじゃありませんか

お母さんは何度もありがとうを言って下さいましたが
それもこれも
自宅でしっかり処置をしてくれたお陰。

そして何よりも
ちゃーんと治るような、元気な体に育ててくれている
親御さんのお陰

なのですよ、ホント

傷を治すのは、医者ではなくて
患者さんの体が持っている
治る力に他ならないのですから。

ありがとうは、こっちのセリフかもしれませんにゃ