てしまのすり傷~傷跡のマイナートラブル② | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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てしまの膝すり傷、ケガしてから治るまではこちら矢印てしまのすり傷~治るまで
治った後の、傷跡マイナートラブル まとめ①はこちら矢印てしまのすり傷~傷跡のマイナートラブル①

傷跡のマイナートラブルのまとめ②です。



トラブルその3 傷跡が痛痒い

治ったばかりの傷跡と、その周囲の皮膚は
まさに

『病み上がり』


といった状態で

皮膚のバリア機能を有する天然保湿成分を作る力も不十分なら
汗腺・皮脂腺といった皮膚付属器の機能も欠けています。

乾燥もしやすいし、
外からの刺激にも弱い状態なので

些細なことで痛くなったりかゆみが出たり、ということも多いようです。

私の傷跡も、なぜかやたらと痒くなることがあり

無意識にひっかき
傷になったらそこがさらに痒くなる

という悪循環な時期がありました。

だいたい、掻き出すとエンドレスでかゆみ増幅されますからね~


そういう時は、

冷やしてみる

というのが、一番お手軽な対処法です。

あとは

それなりの強さのステロイドを、引っ掻きたくなった時には塗る

というのも効果的でした。

ハイドロコロイドやプラスモイストなどの保護剤で覆ってみたりもしましたが

それでよくなることもあれば、かえって蒸れて痒くなることもありました。


季節や、その人の汗の量などによってもその辺は変化すると思うので

とにかく引っ掻かなくて済むような環境を作ってやって
かゆみを乗り切るしかないのかなと思います。


トラブルその4 毛が濃くなる

これ!結構気になりませんか??


これまで患者さんを診ていて、

傷の周りの毛が濃くなる


という現象をしばしば目にしていた私ですが

まあそういうこともありまっせ~


くらいで軽くスルーしていました、正直なところ。


でも、自分の膝の傷跡周囲に

産毛というにはちょっと濃い毛



フッサフサと生えてきたときには

ちょ!これ!!
Σ(゚д゚;)


という気分になりましたね。勝手なもんです。



教科書を探してみたり、ネットで検索してみたりもしましたが
(素人じゃないんだから、論文読めよというツッコミはスルー。
だってそこまで深刻じゃなかったんだもの。)

同じようなお悩みで掲示板にカキコしている一般の方はお見受けするものの

皆さまのお返事もイマイチ根拠を追っていけそうなベースが見つからずでした。


患者さんの経過を見ていると、この毛の濃さ、なぜか自然に収まっていく様子です。


で、私はどうしたかと申しますと


傷が治って3か月くらいのときに

バイトしていた病院で、

レーザー脱毛してみました。


これ、効きましたよ。
あっという間に毛がなくなりました。


ついでに面白い発見が一つ。

傷跡にはまだしっかりと赤黒さの残っている時期だったので
毛も抜けたけど、傷跡も浅いヤケド状態になったのですが

ヤケドが治ると、心なしか
傷跡の赤みや固さが改善していました。

私が使った脱毛レーザーは
血管病変にも効くタイプの器械だったので

血管がつぶれる⇒瘢痕縮小

という効果もあったのかもしれません。

(この前の学会でも「これからのケロイド治療は血管に注目だ!!」と盛り上がっていましたし。)

そんなこんなで、
モジャモジャ改善目的で、傷跡に脱毛レーザーを当てるのは
悪くないかもしれない

と考えている私です。

次にクリニックに新しいレーザーを入れるとしたら、この路線かな......(←ひとりごと)



以上、てしまの傷跡マイナートラブル
2回にわたってお送りしました

どなたかの参考になりますれば幸いですぺこり