皆さまは「記憶に残るお菓子」と言われたら、何が思い浮かびますか?

 

私の場合はたとえば

 

お客様から頂いた、旅のご当地銘菓

 

そして、一緒にお茶を囲んでくれた人の笑顔や交わした会話。

 

 

「このお菓子、メキシコシティで路上の物売りをしている女の子から購入して、のぞみさんと一緒に食べたくて日本に持って帰ってきたんです」と

 

ある日突然、中南米帰りの魂のハグニストさおりちゃんから

見たことも聞いたこともないお菓子が手渡されました。

 

名前はマサパン

mazapan de la Rosa🌹

 

見た目から、てっきりバラの香りの入浴剤か何かだと思い込んでいた私は

「お菓子…?」と聞き返した。

 

そして、これを食べなければ

「私は生まれてきた意味がない」

と直感で思ったの。

 

手で握るとほろほろと崩れてしまうほどの繊細なそれを、紅茶に砂糖を入れるための銀のスプーンで大切にひと匙掬った。

 

意を決して、淡雪のような不思議なパウダー状のものを口の中へ運ぶと、すこしの冷たさを感じさせた後、瞬時に溶け去り、鼻腔へふんわりとした残り香の置き土産があった。

 

驚いて友人と顔を見合わせた。

その瞬間まるで天使が通ったかのように

一緒にいる空間がキラキラと笑顔と幸福感に包まれたのを感じた。

 

こんな不思議なお菓子がこの世にあったなんて…

 

 

たった2つの材料でできるこのお菓子の起源はギリシャ

 

その後イタリアやスペインに渡り、1940年代メキシコのグアダラハラで今の形に🇲🇽

 

元は1212年頃修道院発祥で

飢饉で餓えた人々のために、倉庫にある僅かな材料で作られた貴重な食糧だったのだそうです。

 

なんて尊い祈りを込めたお菓子…。

 

2人で「全世界のパティスリーが潰れてしまうわ」と呟きながら、ひと匙ひと匙を大切に頂戴いたしました。

 

トレドのサン・クレメンテ修道院では、

今でも昔ながらのレシピで、このマサパンを作っているそうです。

 

また行きたい場所、ふれたい世界が増えてしまったわ…。

 

皆さまの「心に残るお菓子」も是非教えてくださいね🍀