大好きな女優さんがいます。

名脇役との呼び声の高い、片桐はいりさん

1/18のお誕生日、おめでとうございます❣️

 

あれは大学生の頃、当時ヨーロッパの片田舎で学生をしていた私は
「かもめ食堂」を観たのをきっかけにフィンランドを旅したのでした。

 

 

時は流れ…失恋の傷心旅行で世界一周の一人旅に出た頃

英語が殆ど通じない南米大陸を制覇するために、スペイン語を学ぶ必要があって
中南米のグァテマラに長く滞在していました。

 

長期滞在で恋しくなるのは何といっても日本食。

もちろん高級なお寿司屋さんなんて入れないので

和食に使える食材を中華系の商店で物色したり、

創意工夫を凝らして和食もどきを自作したりしていました。

 

ある日「アンティグアと言う街でカツ丼が食べられるらしい」
と言うにわかには信じがたい噂話を耳にしました。

 

留学していた街からは(当時)直行便がなく、日帰りもできない距離でしたが、

心の底から和食に飢えていた私はどうしてもカツ丼が食べたくて食べたくて

頭の中をカツ丼でいっぱいにしながら長距離バスへ飛び乗ったのです。

 

 

「カツ丼」と殴り書きをしたメモに書かれた住所を訪ねると

なんとそこは和食料理店ではなく、学校のようでした。

壁一面に並ぶ本の背を見渡すと、日本語の本もちらほら。

 

「お待たせしました」とカツ丼を運んでくださった方のお顔を見上げると

なんとなく懐かしい…どこかでお見かけしたことのあるような面差しに感じました。

 

念願のカツ丼を大切に大切に30分かけて平らげている間

ずっと考えていたことは「あの方は一体誰に似ているんだろう…」

思い切って「どなたかに似ていると言われたことってありませんか?」と話しかけてみると

なんとお姉さまが日本で女優さんをしていらっしゃるとのこと

 

なんとなく身近に感じていた、見覚えのあるお顔は

何度も何度も、映画の中で人生を追体験していた、

あの片桐はいりさんの弟さんでいらしたのです。

 

 

「あぁ、なんて人生ってドラマチックで素晴らしいんだろう」と
まるで自分も映画のワンシーンの中にいるようで、とてもドキドキしました。

 

そしてこのご縁を次に繋げなくては、とかたく心に誓いました。

 

時は流れて帰国後、品川にサロンを構えた私は近所の名画座に足しげく通っておりました。

(その名はキネカ大森です)

或る日、夜遅くの最終回だったので、座席はほぼ貸切り。

モノクロ映画のエンドロールをうっとり眺めながら余韻にひたり

「さぁ、立ち上がろう」としたところ、後方からお掃除の方が入っていらっしゃいました。

 

ちりとりを片手に持った、片桐はいりさんでした。

 

映画フリークの中では有名なお話ですが、

こちらの劇場では今も時折、女優の片桐はいりさんがチケットのもぎりをされていらして

手の空いた時間はチケット売り場にいらしたり、お掃除をなさっているそうです。


劇場へ何十回も足を運んでおきながら、ついぞお目にかかったことはなかったので、てっきり都市伝説かと思っておりました。本当でした。

 

その場に居たのは私達二人きりだったので、思い切ってはいりさんに

「(はいりさんの)弟さんが営まれている、グァテマラの語学学校にお邪魔したことがあります。

そちら頂いたカツ丼が、とても美味しかったんです。」

 

とお伝えしたところ「よくぞ南米まで…!」と、とてもびっくりしたお顔でお話をご一緒させていただいたのを昨日のことのように思い返します。


グァテマラの日向っぽい暑さだとか、当時流れていたラテンの音楽だとか、南米のみんなの顔がフラッシュバックして、ちょっと泣きそうになりました。

 


 

 


 

 

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