18世紀ロココ期の画家の代名詞と言えば
ブーシェ、ラトゥール、そしてフラゴナールですが
ここで紹介するのは香水の「Fragonard」
フランスは香水のメッカ、グラースのブランドです。
一時期、飛行機の機内販売で日本に進出し
私が高校生の頃まで、青山とみなとみらいに直営店があったと記憶しています
今は日本進出を撤退してしまい、個人輸入や専門店でしか入手することができません。
みなとみらい店のガラス造りの店内や
実験室に迷い込んだような金色のボトル
どんなに欲しくても眺めるしかなかった、
クリスマスコフレの銀細工のようなルビーのチョーカー
そんな記憶が香りとともに瞼の裏に浮かびます。
フラゴナールといえば一番に目につくのが練り香水。
色とりどりの、手を握り締めればすっぽり隠れてしまう小さな容器に
繊細な香りをぎゅっと絞ってとじ込めたヴァームが詰まっています。
映画『パフューム~ある人殺しの物語~』では
ヴァーム(油脂)の上に沢山の花びらを敷き詰めて香りを抽出する
という昔ながらの製法を再現したシーンがありますが
パリのオペラ座近くのフラゴナール(香水博物館)へ行った時に、
その絵が鮮やかに目に浮かびました。
蒸留器、甕、気つけ薬、棚の中の青い射光瓶
数あるフラゴナールの香水の中で、
パパシェリの練り香水がたまに恋しくなります。
こちらはママンシェリという香水が対であります。
「大好きなママ・パパ」という意味です。
ご夫婦でペアフレグランスとして纏っていたら、きっと素敵ですね。
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