或る日、ペンダントをなくしていることに気付いた。

私が唯一肌に身につける、祖母の遺したダイヤモンド。

半世紀も昔のものなので、銀座の親友、不二子ちゃん(宝石商)に
 
 「こんなに大きなブラウンダイヤ、最近は手に入らないから大切にしてね」と言われていて

昨今のハイグレードのダイヤモンドのように派手にキラキラしていないところだとか

どんなに沢山の同じ大きさのダイヤに埋もれていても絶対に判る

二つとないインクルージョンも気に入っていたの。
 

そのペンダントをなくしたのは、多分スポーツジムの中でだろうと思う。

きっと大いにショックではあるはずなのに、 「これで繋ぎとめるものがなくなった」と思ってすっきりした。

だって、世界一周前に私が日本で失いたくないものはこれだけしかなかったから。


でも、きっと心のどこかで、

あのダイヤモンドはまだ日本のどこかにあるのだろうか、と気にしながら生きていたの。


とある銀細工作家さんに 「銀は鉱物だから、なくしたとしても自然に還る」

と言われてから、人生観が変わりました。
 
 「ジュエリー」は「一緒に過ごした時間」を贈ってくれる

体がぶつかれば一緒に傷つき、同じお湯を浴び、同じ体温で眠る、太陽の下では喜ぶ。

インクルージョンもカッティングも、同じ宝石はこの世に二つとないのだけれど、

鉱物だから地球に還るし、私たちも地球に還る。

そうだったのね。と、とてもあなたに感謝しているのです。

運命の宝石に出逢えてよかった。
 
あなたにも、出逢えますように。
 

 

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