こんにちは、あおいくまです。
2018年12月14日にもみの匠 中野店をオープンして、1年が経ちました。
私は常々、ある程度指名が取れるようになってきたら、少しずつ経営・マネジメントに軸足をシフトし、早い段階で独立、起業するようにスタッフにはすすめています。そのための情報提供や支援は惜しみなく行います。魅力的なスタッフが独立してしまうのは店としても打撃ですが、その方がご本人にとって良いと考えるからです(※2021年12月現在は、独立、起業ではなく、副業することをすすめています。リラクゼーションサロンで独立、起業することが難しくなってきていると感じるからです。また、当店でも十分な収入を得ることができるため、その収入を軸にして、いくつかの収入の柱をつくってリスクヘッジしておくことが、現代の働き方に合っていると考えるからです。いずれにしても、後述の考えは変わりません)。
主な理由は下記の通りです。
1.施術を極めても、経営・マネジメントの能力は身につかない
経営・マネジメントの能力と、施術の能力は異なります。つまり、施術を極めても、経営・マネジメントができるようにはなりません。文字にするとこれは至極当然なのですが、勘違いされがちです。これはリラクゼーション業界に限らず、特に職人の方に多い印象で、すばらしい技術や腕を持っているのにも関わらず、独立、起業して失敗してしまう方を多く知っています。
経営とは、シンプルに言えば優先順位付けです。限られたリソースの中で、何を集中して行うか。そのため、取り組まなければならない経営課題を抽出し、対応を考え、判断する。私は長い間、経営コンサルタントとして、国内外の大企業向けにアドバイザリー業務を行ってきました。また、スタートアップ支援や自身でも立ち上げを行ってきました。それぞれ課題の性質やスピード感は異なりますが、結局はこれに尽きると思います。そしてこれは実際にやってみて、学んでみてを繰り返さずして、身につくものではないと確信しています。そして、経営・マネジメントの能力は汎用的です。つまり、一度その能力を身につければ、起業、独立するのはリラクゼーション業界に限らないということです。何年後かに、他に魅力的なビジネスや、やりたいことが出てくれば、その能力を活かしてやれば良いのです。
2.体力には限界がある
言わずもがな、施術には体力が必要です。若いうちは気になりませんが、年齢を重ねていくにつれて、段々と厳しくなってきます。さらには、指や腰等をいつ痛めてしまうかもわからないというリスクも孕んでいます。まだ店をオープンして、たった1年ですが、指や腰を痛めた方や体力的に厳しいといった方も何人もいました。施術者として、ずっと施術だけを続けていくのではなく、少しずつ経営・マネジメントにシフトしていく、できれば独立、起業の経験を積んでおく必要があると思います。つまり、「体ではなく、頭を使うことにシフトしていく」ということです。もちろん「施術をすることが好きなので、生涯現役でいたい」と考える方もいます。とてもすばらしいことだと思います。ただし、体力がもつ限り現役として施術を続けつつも、何かあればいつでも経営・マネジメントにシフトできるようにしておくことが、より重要と思います。
3.レバレッジをきかせる
施術者として一人でやっていくのには限界があります。一人でより多くのお客様に癒しを提供しようと思ったら、もしくは単純に稼ぎを増やしていこうと思ったら、プライベートの時間を削るしかありません。そして、それも1日24時間が限界です。さらに稼ごうと思ったら、また効率的に稼ごうと思ったら、人を巻き込んで、あるいは人を雇用してビジネスを行っていく必要があります。
逆に、やりたいことを最優先したいから、ミニマムの稼ぎで良いという方がいます。これも理解できます。しかしながら、早い段階で稼げる仕組みをつくり、不労所得で自分のやりたいことに集中した方が合理的と思います。それは1.の体力的な問題もありますが、リスクを取れるのは早い内だからです。年齢を重ねていくにつれ、結婚、子育て、介護と自分一人で遣える時間やお金も限られてきますし、リスクもとれなくなってきます。また、現実的な話として、政策金融公庫や制度融資等を利用して融資を受けるのも難しくなってきます。
あおいくま