タイトルの番組を見て、どうして良いかわからない気持ちで一杯になりました。被害者のお気持ちを思うとき、お気の毒なんて月並みな表現で言い表せない程の、いても立ってもいられないような、表現のしようもない気持ちになりました。

 

しかし、

性暴力を許してはいけない。

 

このままで良い訳がない。

 

なんとかしなくては。

 

しかし何もできない自分のもどかしさを覚え、呆然自失になりました。

 

実は、私がNHKから取材を受けたのは、この性暴力に関することでした。

 

私や私の親族が当事者ならば、公表することは全く問題はないのですが、義弟(夫の弟)のことなので、もしブログに書いたことが夫に知られてしまったら、もしかしたら離婚されてしまうかもしれないという、懸念を抱きながらも、しかしこのままではいけないという、強い気持ちに突き動かされてブログを書いています。

 

20年程前でしょうか、義弟が盗撮容疑で逮捕されました。とても驚きました。

 

その時のことを詳細に書いてしまうと、個人が特定されてしまうかもしれないと考えますので、ここでは控えさせてください。その後、2度目の逮捕の時に私は治療を提案し、義弟は1度は治療を受け入れてくれたのですが、仕事が見つかったことがきっかけで通院を止めてしまいました。

 

とっても残念に思いました。

 

「治療は?」と夫に聞くと、

「でも、仕事の方が・・・」と言葉を濁すのです。私は、

「良い仕事に就けても、再犯により再び仕事を失ってしまうのならば、ここは落ち着いて治療に専念して欲しい」と思いながらも、

「しかし、治療を受けたからといって、なからず再犯しないと言い切れないのだから・・・」とためらう気持ちもあり、強く言いませんでした。

 

否、言えなかったのです。

 

夫は、私が義弟から性暴力の被害を受けてしまうのではないかと心配し、義弟と並んで座ることさえ嫌がりました。私ってそんなにモテないないのにね・・・。

 

従って治療の提案は、夫を通じて義弟に伝えたことから、私の想いは正確には伝わっていないのかもしれないと考えています。私は治療を提案したクリニックのサイトを印刷し、本も同封して、姑に送りました。私が出来たのは。それだけです。

 

義弟は、勤務態度が良い、真面目で几帳面なタイプの男性で、きっと職場の人も

「あの人が・・・」と驚かれたことだろうと想像します。夫も、よく似たタイプなので、良く分かるのです。

 

もしかしたら、このようなストイックな性格だから、性犯罪に踏み込んでしまったのだろうか?とも考えました。

 

NHKに連絡したきっかけは今年の5月に、首都圏ネットワークという番組で性被害に関して取り上げられていたのを、見たことでした。

 

この時は、痴漢被害に関してでしたが、加害者を特別な人、気持ち悪い人のように表現していたのが気になりました。もちろん、罪は罪ですから、逮捕されて罪を償って欲しいし、義弟もそうすべきだと思っていますが、加害者を生み出すなにか原因があるのではないか。それを放置したままで、逮捕し、服役させても決して問題解決にならないのではないかと思い、NHKとして今後どのような方針で番組作りをするのを知りたいと思いました。

 

早速、ディレクターの二階堂さんから連絡があり、5月30日と6月8日に取材を受けました。

 

二階堂さんには、

「カメラの前での取材は受けられませんが、加害者の家族の立場での私の気持ちを放送することは構わない」と言いました。

 

そして私でできることがあったら、何でも協力すると伝えました。その気持ちは今も変わりません。

 

このブログを更新したら、どういう反響が来るのでしょうか?

 

怖い気持ちもあります。夫に知られてしまったら・・・という不安もあります。

 

しかし、このままで良いとは全く思わない。番組を見て心の底からそう思いました。性暴力加害の原因の研究が進むと良いのに・・・とも思いました。