みなさんこんばんは、maiです。

先日の女性ホルモンのお話
読んで頂きありがとうございます。

前回は、卵胞ホルモンの種類と
その特徴についてお伝えしました。


今日は、引き続き
卵胞ホルモンのお話です。

卵胞ホルモン(エストロゲン)は
経皮吸収の薬がオススメ、
と書きました。

それでは卵胞ホルモンは、
どれぐらい摂取すればいいのでしょう。

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それを示す一つの指標は、
血液検査で、
卵胞ホルモンの値を調べることです。

で、
病院で測ってくれるのは、
エストラジオール(E2)です。

そして、MTFの
エストラジオールの血中濃度は
100〜200pg/ml
程度がいいと言われています。

あれ?
そう、お気づきの方が
いらっしゃると思いますが、

この検査では、
プレマリンや
エチニルエストラジオールの
効果は測れないんです。

血中濃度がちょうどいいかどうか
検査で調べられるのはE2だけ

しかも、そのE2でも、
例えば注射剤は打った直後と
その後の値が大きく変わるので
検査する日は、
目的を持って設定しないと
あまり意味がありません。

例えば
注射して14日目の血中濃度が
どのくらいなのか知りたいとか。

ゲル剤でも、
塗った後何時間経ったかで
倍以上の濃度変化があります。

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一番安定しているのは、貼付剤
おそらくこれが、
卵胞ホルモンを補充するにあたって
一番オススメです。

そして、
血中濃度が安定するかどうか
というのは、
実はとても大切なことです。

女性の場合で、
更年期にホルモン補充療法をする場合
ガイドラインでは、
注射剤は用いるべきではない、と
明示されています。

これは、注射剤は
注射した時と、その後の経過において
血中濃度が大きく変動するのが
わかっているからです。

そして、そのホルモンの変動は、
それ自体が更年期症状を
さらに悪化させることがあります
なので、
女性のホルモン補充療法には
内服薬か、貼付剤、ゲル剤が
使われるのです。

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MTFにとっても、
女性ホルモンの変化は必要ありません。
女性ホルモンは、
女性らしい体つきを
維持するためのものであり
大きな変動は無い方が
身体には望ましいのです

ブログなどを拝見していると
実際に、注射をして、
気分や体調の変動を訴えられる方、
意外と多いように思います。

なので、特に
気分障害や、うつなどのある方は
注射を避けた方が
無難かもしれません。

貼付剤の量ですが、
通常更年期症状を取るために
使う量だと、
血中濃度は40-60pg/mlぐらい。

これは、
先ほど書いたMTFの目標値、
100〜200pg/mlと比べると
すこし少ないように思います。

ただ、
ホルモンが出ていない女性が
実際必要なエストロゲン量は
それぐらいでいい、ということ。

なので、
恐らく、ホルモンを使い出して
数年経過し、手術も終わった方だと
男性ホルモンは出てませんので、
同じぐらいの40-60pg/mlでも
大丈夫な方もいると思います。

手術に関しては、
睾丸摘出をしているかどうか
大きな違いで、
SRS(性別適合手術)をしているかは
あまり関係ありません。

ホルモンの使い始めで、
まだ男性ホルモン値が
下がっていない方は
100〜200pg/mlを目標に。

この場合、
2〜3枚は使う必要がありそうです。

でもそうなると、
ちょっとお値段が気になりますね…。

調べて見たところ、
貼り薬の値段は一枚106円。
1日おきに貼り替えます。
2枚使うとして月30枚ですから、
3000円ぐらいです。

(ただし自費診療なので、
実際にこの値段で売ってくれるかは
わかりません)

注射に月2回通うことを考えると
そんなにお値段が張るわけでは
なさそうです。

因みに、
注射は1本か2本打つかという
違いもありますが、
安いところで1000円。
高いところは4000円ぐらいは
するようです。

一番の問題は、
これを処方してくれる病院が
あるかどうか、ということ。

私の知り合いで、病院で
プレマリンを出してもらってる人、
ゲル剤を出してもらっている人を
知っています。
また、ブログを書かれている方で
貼り薬を出してもらっている人を
何人か見かけました。

中には、落ち着いていれば
1回の受診で
3ヶ月分処方してもらっている方も
いるようです。

これなら、通院の負担も軽くなりますね。

実際に、
ホルモン治療中の経過観察は
3ヶ月おき程度が推奨されています。

通院しながら、
どのぐらい薬が効いているのか
時々調べてもらうと、
量の調節もしてもらえますね。
そして、副作用のチェックも
一緒にしてもらいましょう。

薬を変えようと思った皆さんが
近くにいい病院が見つかると
いいなぁ、って思います。

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もう一度まとめとして書きますが、
プレマリンや、
エチニルエストラジオールは
ちょうどいい血中濃度かを
調べる手段がありません。
なので、どうしても
多い量を使いがちになります。

そういう意味でも
実際の値がわかる、
E2製剤がオススメできます。

また、
血中濃度の変動がよくない、と
書きましたが、
飲み薬や貼り薬でも数日おきとかで
飲んだり飲まなかったりするのは
あまり良くありません。

なので、
薬の副作用が出てやめるとき以外は
薬の量を無闇に増減することは
避けるべきです。
少なくとも1週間、できれば月単位で
薬の量は調節した方が
いいと思います。

卵胞ホルモンを使う上で、
最も重大な副作用の血栓症は
薬を使い始めて
3ヶ月以内で起こることが多い
と言われています。
薬の量をいじるということは、
そのたびに、
使い始めの状態にリセットされる、
と思ってください。

そうそう、
卵胞ホルモンを摂り始めたからって
急激な変化はないですからね。
気長に続けながら、
少しずつ変化を待つのが正解です。


最後に、
私はこの記事で、
女性ホルモンの使用を
推奨しているわけでは
決してありません。

必要のない方は、
できるだけ使わない方が
健康管理のためには良いのは
間違いありません。

しかしながら、
使わないといけない人も
いるのが事実です。

だから
使う必要のある方が、
できるだけ副作用や
日常生活に支障のないような
方法はないだろうか。
そう思って調べさせてもらったことを
まとめたものです。

それぞれ専門家に聞いたり
最新の知見を調べたりしているので
ゆっくりにはなりますが、
続けていきたいと思っています。

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みんなで、闇の先を目指そう!

女性ホルモン、
まだ始めていない方、
迷っている方は、
私の過去記事を一度ご参照ください。

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