【やる気病は徹底的に伝播する！】完全実話

孤児院で育ち、極貧から220億円の資産家に「ココイチ創業者」を直撃！（週刊現代） @gendai_bizカレーのココイチがハウス食品に買収される—身を削って同社を育て上げた、苦労人の創業者・宗次德二氏は、この買収に何を思うのか。本誌の独占インタビューに、宗次氏が口を開いた。

gendai.media

【やる気病は徹底的に伝播する！】完全実話

　これもまた、ひとつのご縁なのだろうか。

　まだ小さな3人の子を抱えて、子育て真っ盛りのママ客さんが、寸暇を惜しんで、フィットネス&ストレッチングを日々欠かさずおこなっている。

元々は足繁く当店の運動コースに通ってくれていたのだが、元々スリムな身体の均整を、見た目だけでなく、機能的にも的確に仕上げ直し、別人かと思うほどの変化を果たしていた。

「もう十分、後はご自宅でやれますよ」と、当店に通う必要性が無くなったことを告げると、遠方からの往復時間を削ることもできると、自らの達成を喜んで、自宅で継続するとのことだった。

その後、一年以上均整を保ちながらも、元々は空手家であったので、いつまでもハイキックが蹴り上げられる柔軟性と筋力、俊敏性を保持すべく自宅にサンドバッグ（正確にはスタンディングバッグ）を置きたいと考えているようだった。

当店ではブツの買取りや転売、処分などの業務もおこなっているので、早速探してみると、岐阜市の会社経営者の方が新品のサンドバッグを出品していたので、当店開店の前に伺うことにした。

場所を調べてみると、偶然娘の通う高校と目と鼻の先だったので、時間を合わせて娘とドライブしながら引取りに向かった。

その経営者Kさんは、自身の会社の始業時間よりはるかに早い時間であったが、私の開店時刻の都合に合わせて早く出社して受渡してくれた。

正直言って、街で会ったらコワモテ過ぎて決して声をかけない雰囲気の人だったが、逆に怖い（笑）位に腰の低い人で、帰りはピーン！っと直立の姿勢から深々と頭を下げたままで見送ってくれた。

後で知ったのだが、そのビルの他に5拠点も支社があるようで、なかなかのやり手経営者のようだった。

　さて、その数日後、いつもの様に当店の【らくらく問診票】がメールで届いたので開いてみると、そのKさんからだった。

早速翌日に来店してくれたのだが、実は現在の仕事をする前には岐阜市でももっとも店舗数の多い国家資格系の施術院を展開するグループの経営者だったようで、（こりゃあまいったな〜）と、緊張しながら施術をはじめた。

施術中は会話を控えて静かにしておいたが、後々訊くと、産みの親の都合で孤児院で育ち、両親のことは今もって知らないらしい。まるでCoCo壱の天才経営者、宗次徳二さんのような話だ。

その後、育ての親としてKさんを引き取ってくれた両親と養子縁組をしたものの、金目当てのクズのような二人で、小さな頃から働かされ、国からの手当は二人が使ってしまったらしい。

その子の将来の為に蓄えておいてあげようとする位でも良さそうだが、どうやら、当初より手当と、K少年の労働力を期待した養子縁組だったようで、年金目当てに高齢者の延命を続ける人と似た思考だったらしい。

ただ、そんな環境であったからこそ、独立心旺盛になったようで、次々と事業を展開し結婚。現在は可愛い娘も二人いるようで、幸せな日々を送っているとのこと。

　そんなKさんに訊いてみた。

途中で、ある事業では破産寸前にまで追い込まれたことも有ったと聞きましたが、その中でも何十年間も多くの社員を抱え、規模を拡大し、継続をする。

その逞しさ、モチベーション維持の源泉はなんですか？

K氏「なんかね、周りの友人や知人に訊くと、25才も過ぎた頃から、夢（大志）を観なくなる人が多いんですって・・・。私、小太郎君よりずっと歳上だけれど、夢が途切れたことがないんですよ。不思議で皆に再度訊いてみると、どうやら嫌な仕事を続けている内に、何だかこう、『人生ってこんなもんや』『諦めが肝心や』『所詮俺なんかこの程度さ・・・』って自分で自分の上限を決めちゃうみたいよ？」

K氏「僕さあ、嫌なことってした事が無いんだよね・・・。いつもやりたいと思うことに、例え資金や勇気が必要で、失敗の可能性があっても、素直に正直にやって来たの。だからつまり、やってることは好きなことだけでしょ？　そんなんだから破産寸前になったこともあったけど、また好きなこと、どんどんしていくわけよ」

　へえ〜。まあ気持ちは分かりますけど、私は職人タイプで人を扱う経営者向きでは無いんですが、そんな大きな所帯で人を扱うのは、いくら好きな事業でも大変ですよね？

K氏「ああ！確かにね。でもさあ、うちマスク無しで感染力がすごいって言うの？　表情にも気持ちにもマスクなんかして隠さない。僕は生まれてこのかた、ずっと病気でしょ？　だから周りがもうとにかく感染しっぱなし！（笑）「ヤル気病」のね。これって感染力ほんと！強いから！」

　そんなKさんは、社屋を自分で塗装や造成して、とにかく手間暇を惜しまない。

K氏　「ずっと以前にね、何かのサイトで、リラクゼーションサロンの経営者のクセに、半年休まずに、自宅の一軒家全て単独で塗装してます！　今度は離婚したから、半年かけて次の住まいをリフォームしてます！　何て言う面白い記事を見つけてさあ。この人たまらんなあ！　『よおし！俺たちもこの人を見習って自分たちでやろうじゃ無いか！』そう言って今に至るんだ」