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かいマムと申します。
現在夫婦共働きで長男きぃまる、次男ちゅけぷん、長女あーたんの3人の子供を育てています。
このブログでは妊娠中に胎児ポッター症候群と診断された次男の物語を綴っています。
縫合した腸の長さは、できれば90cm欲しいと言われていましたが、40cm以上が生存条件になってくるだろうということでした。
先生が粘りに粘って繋いでいただいた結果次男の小腸は70cmになりました。
前回のお話はこちら
外科医の先生のお話を一通り伺いました。小さすぎて繋いでも壊死しそうだから、繋げなかったという、腸になるハズだった組織も見せてもらいました。本当にピンクのちびこいお団子。これを22箇所もホース状になるように形成していくなんて、気の遠い話です。
マムも割と細い作業のある仕事なのでなんとなく想像してみるのですが、私だったら2〜3日かけて休み休みだったらなんとかできるかな、という作業を7時間連続ぶっ通しで立ったままトイレにも行かず...
4時間くらいの手術予定でしたが、大幅にオーバーし、結局7時間以上の手術をした後に、家族に1時間以上説明するなんて、外科医は体力おばけだな、と本当にただただ尊敬と感嘆でした。
やっていただいたことの大きさに、『無事に繋げました!』という先生の言葉に、まるでドラマのように、「ありがとうございます、ありがとうございます...」という言葉しか出てきませんでした。
面談室のドアがノックされてNICUの担当医のS先生が入ってこられました。
こちらの方
「今、全ての処置が終わって、ちゅけくんNICUに戻りました。こちらはどうですか?」
「一通り手術の説明が終わって、これから今後の予後についてお話しするところです。NICUではS先生がメインでちゅけ君の様子を診てくださるので、ちょうど良いです、一緒に聞いてください。」
(S先生はささっとポケットからメモを出されました。いつ見てもやる気がすごい...)
外科医の先生が続けます。
「ちゅけ君の場合、大腸から排便までのルートは胎便排出が確認されていますし、レントゲンでも問題がなかったので、今後繋いだ小腸がどこまで長くなってくれるか、機能を成熟させてくれるか、によって予後が変わってきます。明日から少しずつまずは経口で希釈ソリタ水(薄めた医療用ポカリみたいな経口補液)を飲んでもらって様子を見て、腸が動くようであればシリンジで母乳をあげていきます。量を一気に上げられないのでその間足りない水分、栄養分は点滴で補助します。」
一堂頷く。
「それで、ちゅけ君の場合ですね。この図の一番最初の閉塞箇所、ここを繋ぐのがめちゃくちゃ難しかったんです。というのも、胃のすぐ後ろで、もう閉塞してたので、閉塞前と後でものすごい直径差のあるホースを無理やり繋いだような状態になっているんですね。しかも胃のすぐ後なので、よく動いて負荷のかかる部分です。」
絵の右端に直径差を図示した楕円があります。先生の感覚的にこんくらい直径差あったんですけど!ってかなりの差です。
「なので、予後として一番確率が高く、怖いのが、ここの"破裂"です。」
でた、破裂!!!
この妊娠出産の間に何度聞いたキーワードか。だいぶ耐性がついてきました。
「ですので、毎日朝晩レントゲンを撮って、破裂の兆候がないか、しっかり観察していきたいと思います。ご質問はありますか?」
「あの、術前に腸の長さが90cm欲しい、とおっしゃっていて、結果は70cmだったわけですが、これは後遺症を抱える、と覚悟しておくべきでしょうか?」
「こればっかりは個人差があるのでなんとも言えません。まずは縫い合わせた腸が機能するかどうか、そこを評価していき、機能が十全かどうかはその次の段階で評価したいと思います。」
なかなか、"間違いなく生きる"という保証の得られない、ちゅけぷんです。
けれど私はS先生の、「この子の生きる力はすごい」、という言葉に支えられ、強い気持ちをもてていました。たくさんの赤ちゃんを見てこられた人が思わずそう思ってしまうほど、ちゅけぷんには生きる力があったと思うのです。
ここまでお話しして、時刻は23時を回っていました。
それでもS先生がNICUのちゅけに面会して良いとおっしゃってくれたので、会って行くことにしました。
続く