どうもどうも、マムです。
妊娠カテ時代からブロ友の理系ママkalonさん、最近都内に高機能住宅を自由設計で建てておられます。マムなんか、もうこの一つのサイトにぐっちゃぐちゃにカテゴリ詰め込んでるけど、kalonさんは家たてはカロマリという別名義で家建て専用サイトをスマートに運営されています。
カロマリさんの家建てものすごい理系
自然災害を含めデータベースから導き出す判断の過程が、もうすっごい面白いからぜひ読んでみてください。
マムもこのブログを始めたときに実はちょうど家を建てましてね。ええ、自分で設計したんですよ...それはそれはもうカロマリさん同様膨大なリサーチの上に判断を積み重ねていき、金融の面に至っては勢い余ってそのままFPをとるというくらい...
ぼちぼちブログネタにしていこ〜と思っていたのに時が経つと面倒になる不思議...
んで本日はカロマリさんに触発されて、23区内で限られた資金でそれなりの床面積の家を建てるには工夫がいるよ!というお話を。
まず全ての住宅用の土地には建坪率と容積率というものが決められています。建坪率とはその土地に対して何%の床面積の家を建てて良いか、という比率。容積率はその土地に対して、合計(全部の階及び屋根のあるバルコニー含む)でどれくらいの容積の建物を建てていいか、という比率です。
つまり100㎡の土地が建坪率50%だと、まず底面積が50㎡の家しか建てらんないですよ、ってこと。そして容積率が200%だと延床面積200㎡までは家を建ててもいいです、ってことになります。ということは200÷50=4階建の家を建てていいのかなっと?
けど、そんな甘くないのが都会
さらにもう一つ考慮しないといけないのが前面道路幅員による容積率の低減率というのが土地ごとに決まってます。道路が4mでこの係数が0.4だと、掛け算すると1.6になります。法的な容積率は先程の200%と今回でた1.6=160%を比べて少ない方が採用となります。そうすると100㎡の土地に対して延床160㎡までたてていいよっていうのが正解で、建坪率で求めた50㎡で割ると実質3階建までしか建てちゃダメだね、ってことがわかります。
今100㎡の土地のお話をしましたが、東京23区内ですと40㎡とか50㎡の土地に鉛筆みたいにとんがった3階建、お隣との隙間60cmとかザラです。うちも隣接60cmですが、エアコンの設置業者に、わ〜ここら辺ではかなり空間に余裕がありますねぇ、なんて言われる始末。
てか地代が高くなりすぎて、都内ではそっちが普通。駅近や人気の地域だとそんな狭小鉛筆ハウスが1億円以上、沿線利用で少し離れても所有権で自由設計だったらトータル6千万くだるところは少ないかな...。金銭感覚おかしくなるね
さらにさらに、都会(正確には田舎にも指定されてるんだけど、土地がひろければそもそも抵触しないよう土地内でやりくりできる)にはもっとシビアな規制がいっぱいあるんです。
この辺りを見ていただけると良いかと。
都会で狭小地に目一杯の家を設計しようとすると、まずこの辺りの法規制を調べ、正味一体いかほどの床面積を建てられるのか!?を割り出すことになります。
なんとね、残念ながら土地を買うときに不動産屋さん、こんなこと細かく教えてくれないんです!なので、自分で調べます。市区町村役場の建築指導課、都市計画課に行きますと確実に正確な値を教えてくれます。
地域の都市計画が盛り込まれていない可能性がありますが、まずざっくりと知りたいというようであれば国土交通省のデータベースからも自分の欲しい土地のそうした情報が仕入れられます。
んで、東京23区内駅近の狭小地の場合、全ての規制を守っているとはっきり言ってまともな床面積の家が建ちません。ので緩和があります。(都会の駅の近くの土地は準防火地域、防火地域となっていますので、必ずと言っていいほど緩和条件があります。駅から離れた住宅街はない場合もあります。緩和がないところは、建坪率が低く設定されているはずです。)
→わかりづらいから補足
つまり高級住宅地はそもそも緩和条件がないことが多く、家族で住めるまともな大きさの家を建てるにはそもそも土地自体を広く買える経済力が要求される、ということですしかし、古くからある高級住宅地は災害時に有利な環境に立地することが多いので、マム家の決断としては、高級住宅地の端っこの駅近で緩和を受けられる場所の土地を買った、という感じです。都内、駅の近くは、ほぼほぼ緩和があるので。
補足おわり。
準防火地域、防火地域に準防火建築、耐火建築をすると、建坪率が10%上がります。さらに自動車車庫等の床面積は、その敷地内の建築物の各階の床面積の合計(延べ面積)の1/5を限度として延べ面積に算入せず緩和されます。これイメージ難しいですよね。2階リビングの床が1階の天井のようになっているインナーガレージはこの制度を最大限利用してるわけです。
斜線規制の緩和を狙って天空率という新しい計算方式も使用します。
狭小地の場合これらの緩和を最大限利用する方向でほぼほぼ自動的に土地に対しての建物のアウトラインが決まってしまいます言うたら都会の狭小地にはそもそも同じような家しか建たへんねん!
さあ、しかし、こっからが設計士の腕の見せ所。(お前は設計士ではないだろう)
このバルコニーは真北ですが、これくらい日が入ります。バルコニー壁を白にして160cmと高めにしたので、リビングに反射光が入る設計です。直射日光ではないので、採光は得られるのに、真夏でも暑くない、という狙いです
延床面積に算入されない4mx2mのバルコニー、4mx4mの屋上(これだけでまず24㎡も子供の遊び場を確保したようなもんです。都内で4mのプールで遊べる贅沢)
さらに防災倉庫の面積緩和なども利用して、シューズインクローゼットも玄関に作れました。
さてこれらの裏技を全てフルコンボできたのにはある条件があります。
ズバリ北側接面道路の土地を買うことです。
北側接面道路の土地は北側が道路なので北側斜線規制の影響を受けにくいです。なので、建物の形はよく見かける上階に行くほど斜めにカットされた鉛筆型にはなりません。我が家も屋上の塔屋が煙突のように出っ張ってる以外はほぼ直方体です。
逆に言うと屋上欲しければ、斜線規制を土地内でクリアできるほど広い土地を購入する資金力を持っていない限り、北側接道一択なのです
マムは土地を買うときに地域の洪水の歴史を過去300年ほど遡って調べました。(郷土資料館で調べられます。)それで昭和40年代に一度40cmの床上浸水と言う記録を見つけまして、基礎を40cmあげました。
周囲を見渡すと、斜線規制をできるだけ受けないように、地面を少し掘って、半地下基礎で、仕上がりは段差0の家ばかりです。(バリアフリーという点ではいいかもしれないが、そもそも老後になったら3階建自体きつい...)いざと言うときにこの40cmは地味に効く、と思っています。またコンクリのベタ基礎の耐久も半地下より地上基礎の方が当然高いです。半地下は常に土中の湿気に晒されているので。
しかも日本人には何故か南向き信仰というのがありまして、北側接道の土地、少しお安いのおっほっほっほ(欧米では南向きに庭をとりたいので、北向きの土地の方が価値が高いです。日本人は玄関に日が当たって欲しいのか...?)
んで、ゆっとくけど、北側バルコニーのリビング全然暗くないからね
キッチンのダウンライトしかつけてない状態でこれです。北側から採光を得られる理由は先に書いたバルコニー壁の反射を利用して、です。正直、光と風のことは実際建ててみないとシミュレーションしきれないものです。なので、ドキドキでしたが、思った以上に狙った効果を得ることができました。
南側は採光窓しかないので、夏の冷房効率はめちゃくちゃいいです。冬も別に全然寒くないです。何故なら都会の密集住宅、家と家の間が詰まってるから全然吹きっさらされない
今年の冬もエアコンつけずに床暖房だけで過ごせてます。
大事なことなので2度言います。都会の狭小地で目一杯の緩和を使って一癖ある家を建てたい人は、北側接面道路の土地を買うです。
はぁ、熱く語りました。
長文お付き合いいただきありがとうございました〜
![びっくりマーク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/611.png)
こちらのリンクからお申し込みいただくと
![びっくりマーク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/611.png)
![飛び出すハート](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/610.png)
やっとROOM始めました
![](https://room.rakuten.co.jp/campaign/bnr/common/myroom_banner.png)
↓ポチッと、励みになります!