「4番、4番、」
独房には似つかわしい明る過ぎる部屋で俺は起きた。
「4番、起床しろ。」
俺を起こしたのはまるで感情など無いかのように振る舞う看守だった。
そいつは俺を起こすとさっさとどこかへ去った。
独房に看守。そこから導かれるのは俺は囚人だという事実、それも数少ない死刑囚の一人だ。
名前を奪われて今は4番と呼ばれている。
「何もすることが無いのにどうして起こすかねぇ?」
「それが規則だ、小僧。」
「おや、2番さん。おはようござんす。」
俺の愚痴に口を出したのは金網越しの老人だった。
名前を奪われた俺と同じようにその老人は2番と呼ばれている。
異様な存在感を醸し出す老人もまた俺と同じ死刑囚の一人だ。
「それにすることがないというが、小僧がわざと働かないだけだろう。」
「つい看守さんにイラっときちゃって、ついね。」
「奴らはあくまでも雇われ人、不平不満をぶつけようと意味をなさん。むしろ自分の印象を悪くするだけじゃぞ。」
「そいつは懲役刑を喰らったやつに話すべきだな。俺は死刑なんだから関係ないね。」
この独房に入る前、俺は人を全国を駆け巡り殺してまわった。正確には気に喰わない連中を片っ端から殺しただけだったがな。
世間じゃあ連続殺人鬼なんて呼ばれたりもしていい気分だったんだが、どうにもそれは許される行為ではなかったらしい。
警察に捕まって、裁判所で時間を潰していたら此処に連れて来られていた。んで、死刑執行まで待てって言われて待っている最中でね。
「ちょ~暇、何かすることねぇの?2番さん。」
「何をすればよいか?我はわからん。」
「なんか話をして、」
「話か、」
ふむ、といって考え込むこの老人を俺はいたく気に入っている。
話し方も内容も古臭くてきな臭いがこの老人は決して頭ごなしに否定はしない。
俺が看守を半殺しした時も、俺が今までの殺人を嬉々として語っている時も、この老人は怖がりも訝しむこともしない。
ただ、事実を飲み込むだけ。
「そういえば我は小僧の経歴をきいたが。我の事は未だ話しておらんかったな?」
「ん?そうだったか?」
「そうだ、それは不公平だな、我の事を話そう。」
「そりゃぁ、いい!話してくれよ!」
俺がテンション上げて言うと老人は口端を器用に上げて奇麗に笑った。
4番の若い死刑囚と2番の老いた死刑囚の死ぬまでの物語。
独房には似つかわしい明る過ぎる部屋で俺は起きた。
「4番、起床しろ。」
俺を起こしたのはまるで感情など無いかのように振る舞う看守だった。
そいつは俺を起こすとさっさとどこかへ去った。
独房に看守。そこから導かれるのは俺は囚人だという事実、それも数少ない死刑囚の一人だ。
名前を奪われて今は4番と呼ばれている。
「何もすることが無いのにどうして起こすかねぇ?」
「それが規則だ、小僧。」
「おや、2番さん。おはようござんす。」
俺の愚痴に口を出したのは金網越しの老人だった。
名前を奪われた俺と同じようにその老人は2番と呼ばれている。
異様な存在感を醸し出す老人もまた俺と同じ死刑囚の一人だ。
「それにすることがないというが、小僧がわざと働かないだけだろう。」
「つい看守さんにイラっときちゃって、ついね。」
「奴らはあくまでも雇われ人、不平不満をぶつけようと意味をなさん。むしろ自分の印象を悪くするだけじゃぞ。」
「そいつは懲役刑を喰らったやつに話すべきだな。俺は死刑なんだから関係ないね。」
この独房に入る前、俺は人を全国を駆け巡り殺してまわった。正確には気に喰わない連中を片っ端から殺しただけだったがな。
世間じゃあ連続殺人鬼なんて呼ばれたりもしていい気分だったんだが、どうにもそれは許される行為ではなかったらしい。
警察に捕まって、裁判所で時間を潰していたら此処に連れて来られていた。んで、死刑執行まで待てって言われて待っている最中でね。
「ちょ~暇、何かすることねぇの?2番さん。」
「何をすればよいか?我はわからん。」
「なんか話をして、」
「話か、」
ふむ、といって考え込むこの老人を俺はいたく気に入っている。
話し方も内容も古臭くてきな臭いがこの老人は決して頭ごなしに否定はしない。
俺が看守を半殺しした時も、俺が今までの殺人を嬉々として語っている時も、この老人は怖がりも訝しむこともしない。
ただ、事実を飲み込むだけ。
「そういえば我は小僧の経歴をきいたが。我の事は未だ話しておらんかったな?」
「ん?そうだったか?」
「そうだ、それは不公平だな、我の事を話そう。」
「そりゃぁ、いい!話してくれよ!」
俺がテンション上げて言うと老人は口端を器用に上げて奇麗に笑った。
4番の若い死刑囚と2番の老いた死刑囚の死ぬまでの物語。