そもそも、声楽発声における概念の定義が曖昧な事が多すぎる為に、混乱を招いている様です。
カストラートと言われた、少年時代に去勢して、ボーイソプラノの喉のまま、成人の筋力を兼ね備えた特殊な歌手が流行っていた時代に、カウンターテナーも出現し、倫理上の問題からカストラートが廃止されると同時にカウンターテナーも廃れて行きました。
そのカストラートの発声を見本として発達したのが、ベルカント発声のテノールだったようです。
ですから、テノールの高音域は、ファルセットか、それに準ずるものでした。
その後、劇的な、感情的な声の構築が成され、オールドスクールのスタイルに変化していきました。ヴェリズモ発声とも言うものです。
中には、初期のベルカントは廃れたものと認識している人達は、ヴェリズモ発声をベルカントと言うから紛らわしい訳です!
伝統的オペラ歌唱は、オールドスクールとも呼ばれ、ベルカントとの両立は、現実的に難しいと言われています。
従って、現在、ベルカントと称する歌い方を査定して行かねば、勝手に名乗っているご、実は紛い物である可能性が極めて高いです。
いくら大学の先生だろうと何だろうと、紛い物は紛い物なのです。
ベルカントスタイルの発声とオールドスクールのヴェリズモ発声は、明確に区別すべきです!