私は、二代目の社長です。


初代は、私の父で、一昨年、88歳で他界しました。



私が、今の会社に入ったのは、26年前です。


大学を卒業して、すぐに入社しました。



当時、会社には、掃除のおばちゃんがいました。


毎日、社内のアチコチを掃除してくれました。



そのおばちゃんも、高齢となり退社しました。



その後は、別の掃除のおばちゃんが入りました。



この方も、高齢となり退社しました。




さて、その後・・・・



掃除は、みんなで行うことにしたのですが、


トイレ掃除だけは、業者さんに頼むことにしました。




その会社から派遣されてきた方は、


やはり、掃除のおばちゃんでした。




このおばちゃんは、とても掃除が上手で、


トイレが、見違えるように綺麗になりました。



誰も見ていなくても、サボることなく、


一生懸命に掃除してくれました。



この方に、10年くらい、お世話になっていました。





さて、


今回の不況による影響で、


社内コストを徹底的に圧縮することにしました。



そんな中で、ものすごく悩んだのですが、


掃除の委託を止めることにしました。



掃除のおばちゃんの収入が少なくなるかと思うと、


とても胸が痛む思いだったのですが、決断しました。




よくよく考えてみると、


トイレ掃除を、外部に方に委託しては、いけなかったのです。



自分達が汚したところは、自分達で、掃除すべきなのです。



コスト圧縮も目的にありますが、


なにより、働く姿勢を正そうと思ったのです。




掃除業者さんには、お断りの電話をしました。


「担当の方は、とても一生懸命に掃除していただきました。」


「決して、その方の業務態度が悪くて、お断りするわけではありません。」


という旨を、繰り返し伝えました。




掃除のおばちゃんが来てくれる最後の日、


私は、客先に出掛ける用事があって会えませんでした。



本当は、直接、感謝の言葉を言いたかったのですが、


仕方がないので、手紙を書きました。



そんな訳で、


トイレ掃除は、私を含めた全員でやることにしました。


トイレを磨くことから、見えてくることがあると信じます。



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金型屋の社長から愛をこめて