昔我が家がおもちゃ屋さんをしていたとき、

店の横には2メートル近い

「仮面ライダー」の人形が立っていました。


足には穴が開いていて、ガチャガチャ機になっていました。


店の横の人形は、屋根もなく外置きでしたので

鎖的なものもつけず置いてありました。

他にも怪獣とかウルトラマンもいました。

大きすぎて店には入りませんでした。



折しも某○○鑑定団なる番組で、

このような人形が数十万で取引されていると

放映されていたのを覚えています。
(うちは売る気は一切ありませんでした)


ある日、人形は誰かの手により盗まれました。


外に置いておいたし、仕方ないと家族は話しました。


世の中には、こんなことを普通にできる悪い人がいるのだと

悲しい気持ちになったことを覚えています。




その仮面ライダーの行方が数日前に判明しました。

埼玉県の大工さんという方から、突然電話が来たのです。

知人がその仮面ライダーを購入し、自分が譲り受けたと話していたそうです。


その知人は、この仮面ライダーは

東京の○○市の○○という花屋の隣の

おもちゃ屋の物ではないかと話していたそうです。

父がいつからお持ちなのかと聞いたところ、

18年前からと言っていたそうです。

この仮面ライダーはうちの仮面ライダーなのかと

確認の電話だったそうです。

父が盗まれた物だと伝えたところ、「どうしたらよいですか?」と……。


今はどういう状態かと父が聞いたところ、

色を塗り直して大切にしているみたいでした。

父は、店もやめてしまったので、そのまま大切にしてくださいと伝えたそうです。


仕事から帰り、この話を聞いた私はめちゃくちゃ怪しいとは思いましたが、

(何故その知人はうちのおもちゃ屋の名前を知っていたのかとかね)

あの仮面ライダーが、まだ捨てられずに壊されずにいたことの方が

嬉しく感じたので、仕方ないなと思いました。


こんな20年以上前の事件の、結末を知ることになろうとは

本当に思いもしませんでした。










あの仮面ライダー人形、これからも大切にしてもらえるといいな。

それだけが私たちの望みです。