初夏、といっても もうおかしくない昨日の日曜、
母の三回忌を営んだ。
妹の家で 仏壇の世話をしてもらっているので
そこに 住職さんに来ていただいて 内々でこじんまりと。
まだ若い、とってもイケメンのご住職は
またとてもお説教が丁寧。
お経の後、私たちの方を振り向くと
姪の膝の上で 八ヶ月のコタローが
姪の数珠を上機嫌で、食べて
いた。
ご覧になって ご住職は
「小さい間は 新聞でもなんでも食べますね、
うちは もう新聞は食べずに 読むようになりましたが…」と
冗談を飛ばした後
突如、私の体験ではありませんが、と
みよちゃんの話に…
みよちゃんの唯一の仕事は
夕方、家の前に立って
仕事から帰ってくるお母さんを待つことでした。
おばあちゃんとふたりでのその習慣が続き、
みよちゃんのみっつの誕生日の朝、
ケーキも頼んであるし
今日は早く帰るからね、とお母さんは出かけました。
それで いつもよりずっと 早くから
その日は外で待っていましたが
お母さんは 早く、どころか
いつもの時間を過ぎても なかなか帰ってきません。
電話が鳴り、病院から
お母さんが事故に遭った、の報せ。
その日にかぎって急いでいたからか、
トラックとの正面衝突で即死だった、と。
みよちゃんの家の向かいは お寺。
お母さんの死を呑みこめず、
お葬式のあとも やっぱり夕方になると
お母さんを迎えに 外に立つみよちゃんがかわいそうで
向かいのご住職に おばあちゃんは
どうしたものかと相談を持ちかけました。
ご住職は 外に立つみよちゃんを
お寺の本堂に誘って 話したそうです。
『お母さんは 仏さんになって
見えないけれど そばにいるんだよ。
寂しいときは ここに来て
なむあみだぶつと 言ってごらん。
お母さんは ちゃんと聞いているからね』と。
それからも みよちゃんは
やっぱり外に立つことを続けたそうですが
ある時、しばらく外に立った後、
お寺の本堂にとことこと上がってきて
手を合わせて なむあみだぶつと 唱えた後、
「おかあさーん、聞こえた~?」と
あたりを見回していたそうです。
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お話のかなり頭のあたりから
話の行く先は なんとなく想像がついたよね、
と、あとで みんなが振り返りつつも
話の途中から 思わず 涙が出てきて、
義弟もハンカチを取り出し
甥も妹も 鼻をすすり……
締めくくりもなく、ここでお話が終わって
袈裟をたたみ始めたご住職のそばで
なんとなく みんな しーん、しんみり…。
誰かがこのお話を締めくくらなくては…
やっと
「親は 子が自立するまで生きるのが義務、だなぁ。
ばあちゃんは長生きしたから
その義務をちゃんと果たして
いい往生をしたってことかなぁ。」
などと それぞれ しゃべり始めると
ご住職、
「少しは子どもに迷惑をかけてあげることも
大事なのかもしれません。
手をかけて育ててもらって
何もしてあげられず亡くなられると
子は悔いが残ります。」と。
ご住職が帰られた後、お墓参りをし、
帰ってみんなでお昼を囲みながら、
私の携帯の留守電に入っている母の声を
みなが順番に再生しては聞き、
「ああ、ひさしぶりにばあちゃんの声きいたなぁ」
「ああ、ばあちゃんだぁ」と
ちょこっと 気持ちをしん、とさせたりなど しつつ、
「でも、やつぱり ご住職のあのお話の趣旨は
なんやったんやろ
」
と ちょっとつっこんでみたり、
でも、「あの 方、好きだなぁ、いい声よねぇ」の
フォローも入れつつ、
和やかに 楽しく(?)
母の三回忌を 無事 済ませたのでした。
ぎっくり腰の後遺症に苦しみつつ
あれこれ支度をしてくれた妹に 姪に 感謝。
最新作はタオルマフラー。
細い細い縦糸が 切れそうで
こわごわ織って、
さあ、これからの草取りに愛用しょっ