関係あるのはやっぱり僕なんだろう。
土をかけている僕でないとすれば、それを見ている僕か、現実の僕だ。
可能性が高いのは前者だろう。
女は夢で僕に訴えている。
ただ、現実でのアプローチは少ないとはいえ、まったくないとは言い切れない。
現に夢を見る前に女を見かけている。
待てよ。
前者なら最初から夢に出てくればいいじゃないか。
なのにまず現実でアプローチしてきた。
ということは本当に訴えているのは後者なんだろうか。
どちらにせよ、百パーセントそうだとは言い切れない。
とりあえずこの問題は横に置いておくことにした。
忘れないために、それをさっきの箇条書きの下に書き、その下に線を引いた。
僕は頭を切り換えるために水を二杯飲んだ。
三杯目を飲もうと蛇口に手をかけたとき、僕はふと思った。
夢は毎回同じだ。
多少の変化はあるが、流れは変わらない。
もしかしたら、その中に気づいてほしいことがあるのかもしれない。
僕は紙に夢の流れを書き、共通する場面、物、人物、行為を書き、その右に正の字を書いていった。
そして三つとも印がついたものを、必ず出てくるものとして、さらにまとめた。
場面としては神社、部屋、壁。
物ではスコップ、匂い、賽銭箱。
人物では僕、女。
行為では追う、窓を開ける、壁に入る。
そして人物を除いて、場面と物、場面と行為にまとめた。
場面と物では、神社はスコップと賽銭箱。
部屋はスコップと匂い。
場面と行為では、部屋は追う、窓を開ける、壁に入る。
神社は追う。
部屋に行為がすべて当てはまっているので、神社を可能性から外し、部屋に重点を置くことにした。
そもそもの始まりは僕の部屋なのだ。
そう考えていいだろう。
となると部屋に関するキーワードは匂い、壁、スコップ、追う、窓を開ける、壁に入る。
すると玄関のほうで、ごんごんと音がした。