Molmott Echo ナカミチガク official blog 「劇場ファッキンファクトリー」

■ INFORMATION ■


2011.7.15 New Single 『実験体デモクラシー e.p』 Release!!
ディスクユニオン・Live会場物販・ itunes store他、
全世界約400の配信サイトにてダウンロード販売
1. 実験体デモクラシー 2. 太陽の国  MED-005 ¥300(tax in)
短編小節「実験体デモクラシー」ブックレット封入
※配信版には封入されておりません。

■ NEXT LIVE ■
2011/9/1(木) 渋谷TAKE OFF7
東京Free presents 無料ライブ
“ミュージシャンシップ”-vol.1-

【出演者】
Rye/Mist/AriaRoid/さよなら、また今度ね/Molmott Echo
【時間】
open 18:30 / start 19:00
※Molmott Echoの出演は20:10~を予定しております。
【料金】
入場無料
【info】
・渋谷TAKE OFF7
http://kox-radio.jp/to7-top.html

※入場数制限があるため、事前のチケット予約をお願い致します。
 定員に達し次第、締め切ります。
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行進エレクトリックアコースティック11


「♪突然も偶然もなく雑然と

血も涙もなく後ろをとられた

振り返れないチキンの私が

しゃっくりして空を見上げたら

四角い曇り空から亀がふる

そうだあなた今夜はスッポン鍋にしよ

亀は関係ないのよね

後ろの他人も関係ないのよね

赤の他人

赤の他人

真っ赤な嘘つき

昔は赤ちゃん

駅から出てきて後ろの正面だぁーれ♪」



聴く人間を馬鹿にしているのか頭がおかしいのか。
彼女の力強い歌と不思議な雰囲気が雑踏に異空間を作り、
歌詞は別としてファインダー越しに見ると引き込まれるのだ。

行進エレクトリックアコースティック10



駅前で歌うストリートミュージシャン。
別に珍しい眺めではないだろう。
別に特別上手いわけではないし、
さらに言えば特別可愛いわけでもない。
なんて言い方をすると人の(女性の)ヒンシュクを、
いつもより3割増しでご購入さーせん。
ただ微妙にエキセントリックで存在を無視出来なくなる子だった。
気が付けばファインダー越しにレンズを向けてしまっている自分を発見。

年齢は、推定二十歳。
ほつれたニット帽に赤い縁の大きめの眼鏡。
緑とも茶色とも判別の難しい(薄汚い)ロングコート、
の前を開けっ放して中に赤チェックのシャツ。
スカートとレギンス、磨り減ったブーツ。
何より不可思議なのはストリートにも関わらず、
アコースティックギターではなくアンプの繋がってないエレキギター。
黒のフェンダー、テレキャスターを抱えている。
掻き鳴らしても誰にも聴こえるはずもない。

見た目エキセントリックな若い女の子だが、
その声は意外とハスキーで力強かった。
上手くはないが説得力がある。
対称的で引き込まれて聴き入ってしまって、
そして初めて気が付いた。

歌詞がひどい。
と言うより意味不明だ。






行進エレクトリックアコースティック9



人間の写真をいつも通りに撮影していると、
ふいに歌声が聴こえてきた。
女の子の声だ少し低めでしっかりと伸びる。
雑踏のノイズの隙間から微かだが滑り込んできた。
まわりを見て初めて気付く。
自分が座り込んだ駅前の広場の隅から少し離れた場所。
同じように駅から吐き出される人々をまっすぐに見ながら、
歌う女の子がいた。




行進エレクトリックアコースティック8


仕事から帰る人。
学校から帰る人。
遊びから帰る人。
夜に繰り出す人。

駅から吐き出される様々な人間の表情を切り取る。
自分が駅の利用者である時はこれだけ人が居ても、
他人以下で自分以外が人間であるという意識すらなかった。
しかし一歩離れて眺めてみると。

どいつもこいつも血が通っている。
どいつもこいつも。
どいつもこいつもだ。

もともとは圧倒的な風景写真を撮ることに憧れた。
人知を超えた奇跡の写真。
先輩が見せてくれた写真もその類だ。
しかし追いかけて疲れ果てて帰って来たこの、
急行の止まる駅で。
地面にへたり込んで見たいつもと違う目線。
街はしゃがむとまったく違う。
地面が近い、構造物はより立体に、狭いはずの空が遠い。
その中心に、人がいた。






行進エレクトリックアコースティック7



川を挟んだ隣の駅まで移動する。
こちらは都内じゃない、が急行が止まるし乗り換えもある。
駅前の広場の隅に座る。
ファインダーを覗いて夜の街や人を眺め始めた。


大学生活当初。
浪人生活の憂さ晴らしに何かやろうと思い、
何の気なしに入った写真サークル。
上京してからまともにゆっくり周りを見ることはなかった。
カメラは持っていなかったが先輩の撮った写真を見てどっぷりとはまったのだ。
例のクビになった某コンビニも含めて、
幾つかのバイトを掛け持ちして一眼レフを買った。

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