※舞台の感想ではなくここ2年間に積もり積もったクソデカ感情です。
何も誇張も盛ってるわけでもなく、この2年間、あの日の言葉を支えにして生きて来ました。
この2年間、あの言葉に生かされて来ました。
もう遠い昔に思える2020年の夏。
コロナ禍で多くのものを捨てざるを得ない状況の中、あの科白劇の大楽の歌仙こ兼定こと和田琢磨さんの言葉を聞いて「ああ、この瞬間を目指して生きよう」と思いました。
たくさん捨ててたくさん諦めて、それをどれだけ痛かろうか苦しかろうが飲み込み続けなければいけない中で「これだけは捨てたくない!これだけは諦めたくない!」と思えるものが綺伝大楽の日でした。
ある程度コロナ禍の生活の基盤が整ったとはいえ、まだまだ油断できない世界です。
大楽のチケットが取れた時、いや、取れてしまった時、ここまで来たら絶対に大阪に行って大千穐楽を見届けるしかない!と思いました。
いっそ取れなかったらそれはそれで諦めはつくものですが、チケットが取れたのならばもうこの目的を果たす以外にないんですよね。
コロナになる前から突然の公演中止は何度も経験して来ました。
願ったこと全てが叶う世界ではないという事を知っている。
コロナ以外でも様々な理由で公演が中止になる事も大いにあり得る。
どうかどうか無事その日に辿り着けますように、と祈る日々でした。
座組はもちろん、私自身も。
私自身が健康でいる事はもちろんですが、周りの環境次第で突然行けなくなる事態にもなるかもしれない。
実はちょっと覚悟しなければならない事があったんですが、驚異的とも思える出来事によりそれは回避されました。
運が良かったというのもあると思います。
大千穐楽公演の幕が上がって、無事一幕が終わって、二幕が始まって、ようやく安心出来た気がします。
2年待ったけど、公演時間3時間半だし、歌仙さんが歌を詠む時間なんて10分あるかないかの時間だったけれど、でも2年間待った甲斐があったなと思える瞬間でした。
科白劇の大楽の時にあんな美しい涙を流したあの人が、綺伝公演の大楽では「紙落としちゃった!歌作って来ました!ちょっと解説します!」とか、にこにこ笑って楽しそうに言っている姿を見て、なんとなくですけど「ああ、報われたなぁ」って思ったんですよ。
ものすごい満足感。もう思い残す事は一切ないと言えるほど。
このコロナ禍になってから、何も勝ち負けで語れる事ではないですけど、ずっと惨敗の連続って気持ちだったんですよね。
翻弄されているな、と。
でも2年前のあの日からこの日を目指して過ごして来て、それが見事に果たされて、初めてやっと「抗い切れた」って思えました。
私は「演劇の灯火を守る」という言葉があんまり好きではない。
演劇はビジネスなので、そんな綺麗事でどうにか解決できるほど簡単なものじゃないと思うから。
そうであるならばそれなりの結果が必要です。
綺伝大楽を無事迎えて、歌仙兼定の歌を聞いて、この綺伝という演劇そのものが灯火だった事は違いないのですが、それは最終的にそれが果たされたから灯火に至ったのだなと思います。
ここまでの道のり、ただのファンには想像を絶するようなものだったとは思います。
綺伝座組のみなさま、全公演完走本当に本当におめでとうございます。
そしてありがとうございます。
これからもどうかお健やかでお過ごし下さい。
ようやく私の時間が動いたような気がします。あけましておめでとうございます。