↓↓ここから「私とエヴァンゲリオンの歩み」みたいなものなので本編感想だけご覧になりたい方は飛ばして下さい↓↓
私もいわゆる【エヴァンゲリオン世代】にあたるようなお年頃なのですが(アニメ放送時にランドセル背負ってる上の方の年齢でした)放送日時と習い事がどん被りしていて見れず当時のエヴァの波に全く乗れませんでした。
とはいえ、オタク訓練兵だった私は当時ロボものやメカものに興味は無かったので、おそらくタイミングが合っていたとしても見てはいなかったと思います。
そして習い事がお休みの日、そーいえばまだエヴァやってたよなー見てみよっかなーチャンネルを合わせました。
それまで一度も一話も見たことないアニメを最終回も近いと言うのに見ようと思い立つ子供がいるでしょうか?いたのです。私です。
第弐拾話「心のかたち 人のかたち」でした。お察し下さい。
暫くエヴァと距離を置いていた私でしたが当時仲が良かった友達に「エヴァの映画を観に行きたいけど一人で映画に行きたくない。お金は出すから付き合って欲しい」と言われました。
その頃の私は人の頼みを断り切れない心根の優しいと言えば聞こえはいい優柔不断少女だったので一緒に行く事にしました。
お金出してくれるしまぁいっかと思って見た映画は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」でした。お察し下さい。
そして時は流れ、時は21世紀、まさに新世紀。
序破Qなんてまるで他人事のように過ごして来た私の耳にも「エヴァ、ついに完結」の報せが入ります。
日本に生まれ育ったオタクならちらちら気になり続けた作品であるエヴァンゲリオン。
サブカル史上に深く重く存在を刻み付ける事間違いなしの作品。
たぶんね、通常時だったら見向きもしなかったと思います。
けれど私は通常時ではなかった。こう、なにか、刺激が欲しかった。
「シンエヴァの波に乗りたい」という気持ちを持った私はシンエヴァを観るべくアマプラで序破Qを視聴しました。
そして、そして、ついに観ましたよ!
↑↑ここまでがただの自分語りです。ここからが本編の感想です↓↓
未来永劫日本のサブカル史に深く刻み込まれること間違いなし作品の完結編として最高に残酷で最高傑作。
まさしく残酷な天使のように少年は神話になったのでした。
ひとこと、いやふたことで感想を言うならこんな感じ。
庵野監督は天才だな!?
私は未だにエヴァ=シンゴジの監督とは思えないけどシンゴジ=シンエヴァの監督だとやっとストンと落ちた。
いったいぜんたいこの人の人生にそれだけの変化があったんだ。
とりあえず嫁さんと末永く健やかに幸せであって下さい、と心底思いました。
こんな風呂敷の畳み方、ある!?
いや、畳んでいない。かと言って広げっぱなしでもない。
風呂敷の使い方を覚えて上手に器用に使えるようになった、という感じ。
私はQの時に思った。14年も経ったのにシンジくんが老けてない!?と。
そりゃそうだ大人になったらエヴァに乗れない。
ところがどっこい、シンエヴァの、いやエヴァ完結編のラストではちゃんと大人になっている。
少年少女しかエヴァに乗れない。だからエヴァという物語の結末は「みんなが大人になる」というもの。
これ以上ない「綺麗な終わり方」だし「もう巻き戻らない事象」でもある。
だって人間は老いる一方だから。若返る事はないから。
ヒカリも作中で言っていた。「今より若い時はない」と。
大人シンジくんの声が神木くんなのめちゃくちゃ最適解じゃないですか!?
「大人になった永遠の少年」…いや、永遠の少年が大人になった?
とにかく大人シンジくんのCVに神木りゅーのすけくんキャスティングした庵野監督はこれだけで【本物の天才】って思っちゃうわ。
アラサー通り越してアラフォーに片足突っ込み始めた私には非常に刺さる内容でした。
もっと言うと自分がオタクなのかオタクじゃないのか分からなくなって来ている自分に刺さる内容でした。
いや、オタクはオタクなんだけどさ…オタクであるよりも前に、オタクよりも上に、オタクである以上の何か…ああ、そうだ、大人になってしまったなぁと思う瞬間である。
でも5年くらい前の私が見たら「よし死のう」みたいに思っていたかもしれない。
同級生は大人になって結婚して家庭を持っているのに、成長していないシンジくんはまるで置いて行かれた存在のようだった。
けれど村での生活が彼を成長させた。肉体ではなく精神を。
ただただ感情のままに振る舞うのではなく、感情に振り回されるのでは無く、物事を捉え受け止め考え行動する、そういう術を身に付けた。
エヴァに乗る事を自分で決めて考えて、ミサトさんとハグするシンジくんの姿になんだかぐっと来たな。
母と子でもない、姉と弟でもない、もっと対等な関係に見えた。
敢えて言うなら「戦友」かな。
専門用語が多すぎて結局ゲンドウのおっさんが何やりたかったかは分からないんですが、ようは死んだ嫁にもう一度会いたかったんだろ!?そんで人類全体巻き込んだんだろ!?いい迷惑だなおい!
結局一番ガキだったのは親父じゃねーかよー!
私は全力で「どうして思い出にしなかった!!!」って心の中で叫んだわよ。
まぁ良かったね。まるくおさまって。器でかく成長した息子に感謝しなよ。
シンジくんがひとりひとりの物語を丁寧に振り返って未来に導いて行くシーンは、いっこいっこ丁寧に箱にしまっていくみたいだった。
ロングヘアの綾波がちょうかわゆかった。何でいきなりロングになったか分からなかったけどマリとアスカがちゃんと説明してくれていた。
私には結局カヲルくんが何だったのか分からなかったんだけど(色々考察を読んでなるほど~と思うものはあった)彼の言う「シンジくんを幸せにしてみせる」はシンジくんにとってもカヲルくんにとっても祝いと言うより呪縛のようなものだったので、綺麗に解けて良かったなと思いました。
カヲルくんが「シンジくんと一緒に幸せになりたい」よか言うならまだ良いけど「幸せにしたい」じゃ駄目だよ。
というのは私は人は(カヲルくんがヒトかどうかはさておいて)人を幸せにする事は出来ない、と思っているからです。
人は弱いし脆いしいざとなったら人に寄りかかりきれないと思うので。
カヲルくんもちゃんと幸せになって、シンジくんも幸せになって、それで幸せの共有が出来るのが一番なんじゃないかと私は思った。
渚司令って唐突に何なの!?それはそれでそういう外伝見たいんですけど!?
わたし、結構だいぶ内山くんのこと好きなつもりでいたんだけど、登場シーンが唐突過ぎて全然声を認識できなかった!不覚!
いや~~~~わたし死んだ人間の名前を新しく生まれて来た命に付けるっていうのあんまり好きじゃないんですけど、でもミサトさんならやるなやるわって思っちゃった。
ミサトさんあれで結構重い女だもんな。
最後に髪の毛下ろした我等のミサトさんに戻ってくれて嬉しかったな。
マリって結局何だったんだろう。かわいいからいいや。その存在に謎の説得力があるよね、マリって。
最後、シンジくんの首輪が取れましたが、あれは「もう自由」と言うよりは寧ろ「自分の行動の責任は自分で取らねばならない」というメッセージにも思えたな。
暴走しても間違った行動をしても、責任を取ってくれる保護者はもういない。
大人に守られる子供ではなくなった、という象徴のようにも思える。
ああ、これがエヴァンゲリオンの決着の付け方なのか…と、大してファンでもない私なのに妙に元気になって励まされた気分になった。
まぁ人生大人になってからの方が長いからな…などと最近よく考える私には凄く刺さりました。
「私に還りなさい」と言ってくれる人はいないけど、少年だった頃にあった背中の羽は青年になった今はもうないけど、彼には一緒に未来に向かって隣を歩いてくれる人が現れてくれたのでした、めでたしめでたし。
追伸:田植えは前進より後退スタイルの方がいいぞ。