こんにちは。
グラスアトリエHAKUです。
ブログにご訪問いただきありがとうございます。


今、オーダーで作っているのは、『HAKU月と星のサンキャッチャー』。

昨日は、月の本体部分がここまでできました。



もともとは『HAKUダブルスターのサンキャッチャー』という作品があったのですが、

↓(それがこちら)




それを見た常連のお客様から、「是非お月様と組み合わせてほしい」というご依頼があり、この作品は生まれました。


いつも私にインスピレーションを下さるお客様の声は宝です。


それで、この作品、生徒さんにも大変好評だったので、初級の課題作品としてお教室でも作っていただけるようにしました。


ただ、この作品を課題作品にしたのには、もう一つ別の大きな理由があります。
 

それはこの作品には、初心者の方が次にステップアップするのに、是非マスターしてほしい技術がうまい具合にバランスよく詰まっているからなんです。


一つは
曲線のカットと、曲線に囲まれた鋭角部分の先端カット。

曲線カットの方法はいろいろあり、使う道具も様々ですが、お教室では作品ごとにいろんなカットの方法をご紹介していろいろな選択肢の中からカットを体験してもらっています。


また、生徒さんには、なるべくルーターに頼らないカットの技術を身につけてもらいたい、と思って指導しています。
ルーターをかける前でも、カットだけでこれくらい形が整っていれば、後のルーター作業がとても楽ですね。




そしてもう一つのポイントは、外周断面の曲線の半田仕上げ。

半田は溶けると完全に液状化して、またそれがすぐに固まります。
ですので、この曲線の断面部を『しっかりと盛りながら、かつ、凹凸なくシワなく滑らかで、均一な厚みのラインに整える』というのが、とても難しいんですね。

シンプルなラインだからこそ、なおさらです。





断面部に盛った半田と、表裏の半田ラインとの接点の繋がりも、微妙な加減が必要な所です。



それ以外にも、このデザインに起こりがちな強度不足についても、そうならないようにするにはどう仕上げをすればいいか、なんてこともお教室では説明をしています。

ただ『可愛いから作りたい!』ではなくて、技術を身につけるためにちゃんと目的意識を持って取り組んでもらいたいと思って、課題作品は選んでいます。




この後、私はよく作品に飾り半田を施すんですが、その場合も必ずこのように、下地の半田は100%完成させた後に。飾り半田をします。

これはお教室の生徒さんにもよく教えてあげておきたいことなんですが、飾り半田は、作品に変化を付け、より美しく個性的なステンドグラス作品に仕上げる為の『小技』であって、

『半田の粗(あら)を隠すためのものではない』ってことを頭の片隅に覚えておいてもらえるといいですね。


下地が美しいと、当然、飾り半田も美しく際立ちます。
そして半田の美しい仕上がりは、作品全体の品を格段に上げてくれます。


実際、『ステンドグラスはパティーナで黒く染めてしまうから、多少の半田のシワは気にならなくなる』
とか、
『光が入れば逆光になるから、粗はそんなに気にならなくなる』
といったことはありますが、私の作品にはそのような妥協は一切ありません。


パティーナ前の生のハンダの状態(銀色)が、一番ハンダの粗(あら)が目立ちますので、その状態でアップで見ても美しいと感じるハンダ仕上げを目指して日々精進です。

厳しく聞こえるかもしれませんが、これが私のステンドグラス愛です。


その分、製作に時間がかかるのも事実。
こんな小さな作品でも半田づけは極限まで神経を研ぎ澄ませるせいか、座っているのにものすごい体力の消耗を感じます。
老けます。
気力の問題ですかね?


あ、一つだけ断っておきますね。
お教室の生徒さんには、基本は優しいです。(笑。どう思われてるかな?)
個々のレベルに合わせて無理なく、緩くするところは緩く指導している(つもり)なので、こんなにストイックなことは言いませんよ。

みんなすごく頑張っているので、いっぱいいっぱい褒めてあげたいと思ってます。


ただ、将来的には、お教室の生徒さん方には『美しいステンドグラス』を作る技術を身につけていってほしいと思います。

世のステンドグラスが、『ステンドグラスだから美しい』のではなく、『その技術そのものが美しい』と評価されるものであってほしい、と、切に願っています。


みなさんの知っているステンドグラスはどんなステンドグラスですか?



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

HAKU



お教室に興味のある方へ

仙台教室は、申し訳ありませんがそ、只今満席です。
追加募集する場合は改めて告知いたします。

埼玉教室(川口市)は来春4月頃開講に向けて頑張ります!
亀の歩みですが
どうぞよろしくお願いいたします。