こんばんは。
グラスアトリエHAKUです。
ブログにお立ち寄りいただきありがとうございます
今日はガラスについて、ステンドやってる人にしか分からないちょっとマニアックな話し。
ステンドグラスにはハンダゴテを使うわけなんですが、ハンダゴテのコテ先温度は360から410度近くあるんですね。
天ぷら油の180度とか、もう可愛いもんですよ。
今じゃ天ぷら油も怖くないですもんね。
油が手に跳ねるなんてほんと可愛いもんですよ。(笑
で、そんな高熱のコテを当てて、ガラスは割れないのかって思いませんか?
たまに、薄いグラスに熱湯注いでグラス割れるんじゃないかってドキドキしたりします。
でね、ステンドグラスの場合は、ガラスの周りにぐるっと一周、コパーテープというシール上のテープを巻きつけまして、そのコパーテープの上にハンダゴテを当てるので、結論からいうとガラスは割れないんです。
コパーテープが熱を吸収してくれるというのかな。
本来はガラスって、徐々に熱を上げていけば1000度以上の釜の中でもドロドロに溶けるだけで、割れません。
ガラスってもともと熱に強い素材なんですね。
ではなぜ、薄いグラスに熱湯で割れないかドキドキするかっていうと、ガラスは急激な温度変化、特に、熱いところと冷たいところの温度差に弱いんですね。
この温度差によって、ガラスはヒビが入ったり割れたりしてしまうんです。
だから、ステンドグラス作っていて、夢中になっておんなじところをゴネゴネゴネゴネずっとハンダゴテ当ててると…
危険ですね〜。
コパーテープの上しか触ってないからって、安心しちゃいけません。
ハンダゴテの熱はガラスにジワジワ伝わって、一部分だけ集中して熱くなったガラスピースは、そのうちこらえきれずに、、
ピシッ
ていいます。
ピシッ。って。
蚊の鳴くような実に小さな小さな音ですが、身の毛もよだつような世にも恐ろしい音です。(ステンドやってる人だけがそう感じます。)
そして、昨晩、この
ピシッって音。
聞いてしまったんです。
もうね〜、過信は禁物って分かっているのにねー。
深夜の作業でボーっとしてました。
何年やってるんだか…
そしてやっぱりね、、
よ〜く見ないと分からないから、一瞬「気のせいか?」て、見て見ぬふりしてみるんだけど、ガラスのヒビって角度変えてみるとキラリと光るんですね。
無情にもキラッ
、と。

ハ〜って、そりゃもうショックです。
修復することも考えましたが、またまた運の悪いことに、今回ヒビが入ったピースは、ガラスが立体的にあっちからもこっちからも複雑に組み込まれている場所でして、
初めから作り直したほうが早い!
ということで、
今日は朝からまた同じものを作り直してました。
新作のクッションチェックの写真立て。
細かなチェックに組まれたガラスピースは、写真では分かりづらいですが、実は透かし模様の二重構造になっています。
表側はチェック模様のオリジナルガラスを格子に組み、裏側にオーロラガラスを配置しています。
オーダーでお嫁入りする予定のフォトフレームでしたが、作り直したことで、これは見本としてアトリエにおけることになったので、
大変だったけど私としてはちょっと嬉しい気持ちもあるかな。
写真でしか手元に残せないと思ってたけど、現物が近くにあるとないとではやっぱり嬉しさが全然違う。
そして、追い込まれた時の自分の集中力には我ながら感心する。
よくやるな〜って。(笑
なんならいつも追い込まれていれば、もっとたくさん仕事できるのにな。
な〜んてね、もうコリゴリT^T
皆さまも過信にはどうぞお気をつけて。
最後までブログをお読みいただき
ありがとうございました。
グラスアトリエHAKU