
おそらくは皆さんのお父さん、もしくはおじいちゃん世代の漫画「のらくろ」
この漫画、昭和6年から連載され、昭和55年この「のらくろ喫茶店」で幕を閉じました。
のらいぬ、くろすけが、軍隊に拾われ立身出世し、やがて除隊し、大陸開発、探検、放浪をへて、途中に番外編もはさみながら、波乱万丈の人生を送りながら
最後は「喫茶店のマスタ-」になる。という実に半世紀に及ぶ「ク-ルジャパン」の草創期の作品です。
さんざん、苦労、冒険させた「のらくろ」を最後には、お嫁さんももらい、小さくとも一国一城の主にして喫茶店のマスタ-として幸せな終わり方にしてあげる。
など、田川水泡先生の作者愛が感じられるほほえましい作品です。
しかしながら、最近ではこういう「名物マスタ-」の存在するお店はどんどん姿を消し、大手資本のチェ-ン店やカフェに置き換えられていっております。
かつての喫茶店では、あらゆる方々の集まる「憩いの場」として、また、「文化」
「趣味」「取引」「出会い」の場としても活用されていた時代もありました。
昨今、フェイスブック、ライン、チャット、などネット環境の発達により、手軽にそういう場を得ることができるようになり、「効率」「成果」「充実度」などは、「喫茶店」のそれとは比較にもならないものが有ります。
モチロンそういう文明の発達の恩恵を否定するものではなく、そういうものでは
未だ到達できていない、人と人との交わり、というか、温かみ、と言うか、そういうものを経験している世代として、懐かしく思いを巡らしている今日この頃です。
当店など、資本も小さい個人営業に近いお店ですが、そういうかつてあった「なにか」を考え、今後とも維持できるよう努めていきたいと思います。