
ある骨董オ-クションにて、この写真のガラス乾板?{昔の
ガラス製ネガ}を発見し、このエンブレムよりうちの写真と
判別、大喜びで持ってきてくれたものです。
いまやこの写真、当店の創業当時を語るうえ、なくてはならぬ
ものとなり、その友人への、感謝の気持ちをここで、あらためて
記しておきたいと思います、
さてこの写真、よく見るといろいろ、面白いことに気づかされます。
まず、この絶妙な構図に、前を通りすぎようとする日傘をさした、
着物姿のご婦人、つまり多分に演出の要素が感じられ、また当時の
ガラス乾板?を使用していることなどから、この写真を撮られたのは
おそらく名のある写真家の方ではないのでしょうか?
また、拡大すると、店頭に置いてある自転車には「ツル茶ん」という
店名も確認でき、「モダンボ-イ」といわれた「初代」の、ダンディ
ズムへのこだわりがうかがえます。
昭和のはじめ、おそらく梅雨も明け、初夏を感じさせる昼下がり、
蝉時雨の中、ご婦人は清水さんへ向かわれるのか?
ひょっとしたら、用事の帰り、「ツル茶ん」へお立ちよりになり、
蓄音機の洋楽を聞きながら「アイスクリ-ム」を召し上がり、
「涼」をとられたのではないのでしょうか?
懐かしく素敵な情景を感じさせる一枚です。