狂詩曲「スペイン」
ピアソラ
バンドネオン協奏曲*
ベルリオーズ
幻想交響曲 ~ある芸術家の生涯のエピソード~ op.14
指揮:ミシェル・プラッソン
バンドネオン:小松亮太*
コンサートマスター:豊嶋泰嗣
【感想】
今日のコンサートは予定にはなかったのですが、プラッソンさんは、以前世界のマエストロシリーズ(2016)で急遽病気で来日出来なくなり(代役はヴィット)、楽しみにしていただけに心残りだったのと、急遽お休みも取れまだ残席あるとのことなので、やっと念願が叶いました(年齢を考えると次回あるかも分からないし…)。
そのプラッソンさんとNJPが奏でる音楽は、香り立つフランスのエスプリが満載!!
なんて言えば「如何にも通ぽい」言い方だけど、木さんの拙い耳ではエスプリ感とは正直何ぞや??って感じ

ただフランス感ってのは良く分からなかったけど、実際聴いた音楽は素晴らしかったのは間違いない!!
プラッソンさんの指揮にはセンスというか洒落た感覚があり、それが絶妙なバランスでNJPから音を引き出すマジックは、本当お見事!!
御歳86歳!!
長老指揮者の代表格であるブロムシュテットさんと比較すると流石に年齢は感じさせるけど、ブロムシュテットさんの方が例外で、プラッソンさんも同年代の指揮者と比較すればまだまだお若い!!
協奏曲のみ座って指揮をしたけど、それ以外はしっかり立って指揮(時折、指揮台の手すりに寄り掛かることはあったけど…)。煽るところは豪快に指揮をしていました。
狂詩曲「スペイン」での浮き足立つリズム感(出だし若干緩かった気はするけど)、時折タメを付けるなど小品ながらもプラッソン節は炸裂!!
後半メインの幻想交響曲での繊細な表現の中に時折見せる豪快さは、プラッソンさんならでは!!
なお、幻想交響曲の第3楽章冒頭、オーボエとコーラングレの掛け合いは、オーボエが舞台裏で演奏するのではなく、オーボエ首席の古賀さんがトリフォニーホールのオルガン側へ移動、コーラングレの山本さん(エキストラ)と見事な掛け合いを聴かせてくれました。
第1・第4楽章のリピートはなし。
第2楽章でのコルネットのオプションもなし。
基本オーソドックスなスタイルの演奏だったと思うけど、NJPから色彩豊かな音色を引き出し、第1楽章終盤やフィナーレの追い込み、第2楽章のフワッとしたエレガントさ、第3楽章での優しさに満ちた歌い込み、第4・第5楽章の巧みな棒さばきと劇的な盛り上がりなど、王道中の王道の幻想交響曲を聴かせてくれました♪♪
バンドネオン協奏曲では、小松亮太さんの熱演が凄かった!!
ピアソラらしいどこか哀愁を帯びた音色も素敵!!
特に第3楽章後半の行進曲調の箇所は、何とも言えない慟哭感や切迫感を感じさせ、ショスタコーヴィチにも通じるシリアスな音楽で特に印象に残った。
しかも、マエストロのリクエストで第3楽章をフルでアンコール!!
しかもアンコールの方が2回目だからか小松さんもオケもノリが良かった(こちらも2回聴いたから曲に馴染めそう感じたのかも)!!
贅沢なアンコール🎵
NJPはプラッソンさんの指揮に十分応えていたと思うし、NJPには珍しく終演後、楽員たちの笑顔が見受けられ、プラッソンさんに懸命に喰いつきやり終えた感あり。
唯一ホルンに疵があったのは残念(今回は客演奏者なし)。
NJPでは久しぶりの大喝采!!
幻想交響曲が終わった瞬間、ブラボーと歓声にホールが包み込まれました



そして、まさかのアンコール!!
颯爽とカルメン前奏曲を指揮するマエストロに思わず涙

本当素晴らしかったわ



プラッソンさんは、白のジャケットに赤いチーフ(終演後取り出し、それを振りながらさよならをしていた)がめちゃくちゃオシャレ!!
さすがフランス男児!!
ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブルみたい!!
演奏もそうだけど身なりも粋だわ

2019.9.28(SAT)
14:00
すみだトリフォニーホール
本日はロビーコンサートあり。
こちらも良かったです

ベルリオーズのアニバーサリーイヤーの今年、彼の作曲した交響曲は全て生で聴けた

幻想交響曲…今回
イタリアのハロルド…ソヒエフ&N響(1月)
ロメオとジュリエット…大野&都響(9月)