日本フィルハーモニー交響楽団 第712回 東京定期公演 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

ラター
弦楽のための組曲
J.S.バッハ
ピアノ協奏曲第3番ニ長調 BWV1054*
フィンジ
エクローグ~ピアノと弦楽のための op.10*
ハイドン
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」
バターワース
2つのイギリス田園詩曲

指揮:広上淳一
ピアノ:小山実稚恵*
コンサートマスター:扇谷泰朋(日本フィル・ソロ・コンサートマスター)
ソロ・チェロ:菊地知也(日本フィル・ソロ・チェロ)


【感想】
~広上淳一が小山実稚恵と贈る、
                  一風変わったイギリス特集~
毎回凝った選曲でお贈りするマエストロ広上との東京定期。今回はイギリスに焦点を当てます。ただそこは日本フィルですから、普通のイギリス・プロではありません。
バッハやハイドンといったイギリス出身でない作曲家から、フィンジやバターワース、ラターのような近現代のイギリス人作品が含まれてます。一見バラバラのように見える並びですが、通して聴いてみると不思議に全てが繋がる、いずれの作品も品格と優しさに溢れた名作ばかりです。(公演チラシ裏面より)

今回のお目当ては、何と言ってもフィンジのエクローグが実演で聴けること!!
永年の夢がやっと叶う!!
そんな期待で胸が張り裂けそうになるくらい!!
想い入れが強い作品だけに、サントリーホールに入った瞬間から、頭の中ではエクローグが流れる様を想像し感涙状態に。
もちろんラターやバターワースの滅多に実演で聴けない英国作品も楽しみ‪ヾ(๑╹◡╹)ノ"‬
もうチケット買った段階から万全を期し聴かねばくらいの気持ちでした(笑)

ところでチラシ裏面にも書いてありましたが、今回のプロは、イギリス音楽ばかりでなく、バッハやハイドンも含まれてる広上さんらしい選曲。
ハイドンが入ってるのはわかるけど、バッハは??
イギリスと縁あったかなぁσ( ̄^ ̄)?
そこはずっとわからないままだったんですが、プレトークの林田さんのお話を聞き、何となく納得。
林田さん曰く「繋がり」とのこと。
ラターは、レクイエムも書いているので、宗教音楽を書いたバッハと繋がりが、またフィンジもバッハ的な厳かな雰囲気を持っているので、バッハの作品が2つの作品の間に入ったのではないかとの自論を話されてました。
(交響曲がニ長調なので調性の統一もあったのかなと→これは木さんの考えですが)

イギリス音楽は苦手な人は苦手なので…苦手な理由を聞くと何となく掴みどころなく、ドヨーンとして眠くなるのこと…こうしてバッハやハイドンの作品と組み合わせることで、イギリス音楽が苦手だったり、普段聴いたことない人には、取っ付きやすいかなって気はします。
掴みどころないふんわりした作風は、ヴォーン=ウィリアムズやディーリアスなどに代表される英国田園系作曲家の作風で、それはイギリス音楽のほんの一部、カッチリ系のエルガーやウォルトンもあるし、意外とイギリス音楽は、イギリス音楽と意識しないで、日本では、例えば、ホルストのジュピターやエルガーの威風堂々などポップス音楽として馴染んでるし、イギリス民謡のグリーンスリーブスや蛍の光など耳にする機会は多いと思います。
身近にイギリス音楽はあるのに、ちゃんと聴こうとすると敬遠しがちなのは、正直もったいないですよ。

余談が長くなりましたが、
感想は、
ラターの弦楽組曲は、グリーグの「ホルベアの時代」を彷彿させ、とても聴きやい曲。
ラターと言えば美しいレクイエムが有名ですが、こうした民謡を映画音楽風・擬似バロック風にアレンジした作品もあり。
ラストを飾ったバターワースの田園詩曲は、イギリスの田園風景が目に浮かぶ(と言っても木さんは、コッツウォルズしか行ったことないけど)とても素敵な作品。
ハイドンの交響曲は、
14型でコントラバスは7台とかなり厚めの弦。
ティンパニは、ケルト・ドラムを使用していたけど、昔の巨匠風な重厚で雄大なハイドン。
ハイドンも後期の交響曲は、こうした解釈もしっくり来るし、メインプログラムを飾るにはこうした堂々したハイドンが最適♬︎♡
ただ木さん的には、こうした解釈ならケルト・ドラムでなく、モダン・ティンパニでも良かったと思います。
バッハの協奏曲も弦のプルトは減らしているけど、基本ハイドンと同じく昔ながらのバッハ。
ラターからフィンジを繋ぐにはこうした演奏ががしっくりすると思う。
さて、今回の目玉フィンジのエクローグ。
サントリーホールに鳴り響くピアノと弦の耽美的なまでも美しい調べは、実演ならでは。
しかし、実演で聴いて感じたのは、この曲は、ひとり静かに泣き濡れて聴くのが一番!!
周りから聞こえる寝息や鼾、すすり泣きなどで、正直集中できなかった( ̄▽ ̄;)
エクローグみたいに静かに切々と鳴る曲は、こうした雑音はやっぱりNG。
好きな曲だけに周りにちょっとイライラ。

全般的に弦楽器が主体の曲が多く、今日の日本フィル弦楽セクションの豊潤な響きは、まるでシルクのよう♬︎♡
木管は、後半のみの登場だけどハイドンの緩徐楽章やバターワースの作品での煌びやかな響きにうっとり。
小山実稚恵さんは、エクローグでは懇親の演奏。
気持ちが篭もっていたのが、よく伝わりました♬︎♡
なお、ソリストアンコールは、なし。
これはなくて正解!!
フィンジの後には。どんなアンコールもいりません。
ひたすら余韻に浸りたいですから。
今回、広上さんらしさを感じたのはハイドンのみ。
あとはオケの自発性を尊重していたと思います。

ともかくフィンジのエクローグがやっと実演で聴けたことは、最大の喜びです‪ヾ(๑╹◡╹)ノ"‬

【DATA】
2019.7.13(SAT)
14:00
サントリーホール