密度21.5(無伴奏フルートのための)*
アメリカ(1927年改訂版)
R.シュトラウス
交響詩『英雄の生涯』op.40
指揮:ジョナサン・ノット
フルート:甲藤さち(東京交響楽団首席フルート)*
コンサートマスター:水谷 晃
ノット東響のコンビで聴くのは数年ぶり。
ミューザが来年1月から暫く改装になるのでその前にと思いたまたま選んだコンサートだったので、ノット東響のコンビはたまたま。
プログラムは、正直『(;-ω-)ウーン』って感じ。
前半、ヴァレーズの作品は、甲藤さんのフルートソロ(ノット所有のフルートを使用とのこと)から始まる密度。
アメリカもアルト・フルートのソロから始まるので続けて聴いても違和感はなく、同じ作品と言われたらわからないかも(笑)
以前聴いた同コンビによるリゲティ→バッハ→R.シュトラウスの時のようなプログラムの妙的な感じはちょっと薄いような…
アメリカは、巨大な音塊がガンガンこれでもかと迫って来る作品。
ここ最近脳内再生は『くるみ割り人形』状態だったので、かなり刺激的。
打楽器の数も半端なく、奏者を数えたら15人!!
多分今まで生で聴いた曲の中では最大編成!!(メシアンのトゥランガリアより多かったような…)
偶然その夜見た『シン・ゴジラ』が破壊尽くした首都圏をイメージするような凶暴な音楽♪
面白いけど感動とはまた違う。
正直耳が痛くなる。
ノット東響は、このコンビらしく見通しの良い演奏。
生涯これ一度くらいらしか生では体験できない曲を聴けたことは良かったと思う…
後半、R.シュトラウスの『英雄の生涯』。
この曲も巨大な編成なんだけど、前半のヴァレーズの大編成を見た後では、こじんまりした感もあり(笑)
さて、演奏はノット東響らしくこちらも見通し良さと意外と言うべきか力強さもあり、名演だったと思う。
なぜ『思う』かと言うと正直『英雄の生涯』がそんなに好みではないから。
CDや実演で何度も接して来ているけど、未だピンと来ず…
そんな訳で客観的に見て名演かなと。
R.シュトラウスと言えば豪快に鳴る金管。
今日の東響は大きな疵もなく、ホルンは良く頑張ったと思う(アシスト入れて9本)。
トランペットは、大きなミスはないものの美感を欠く感じ。
トランペット奏者が優秀だとオケもピシッと引き締まるんだけどなぁ…そこは惜しいものが…
(英雄の敵で舞台裏でトランペットを吹く際、舞台から移動して吹いていたけど、ヴァレーズであれだけトランペット奏者いたんだから、後半降り番奏者にお願い出来なかったのかしら??)
弦は16-15-12-12-8とかなり大編成。
しかし、編成の割には薄い音色。
水谷さんのソロも若干細め。
ただこれはノットの解釈かも!!
コントラバスのゲスト奏者にN響の矢内さんらしき姿もあり。
木さん的には業績・引退の牧歌的な所がノットがしみじみとした感じを表現していて良かった♪
この箇所、他の演奏だとつまらなく感じることも多々あるので、R.シュトラウスを得意とするノットならでは。
(スイス・ロマンドとの初CDもシュトラウス作品を含んでいたし…)
全体的にヘビー級のコンサート。
今年の締めには重かったかな(笑)
英雄の生涯が終わった直後ため息みないな声で『ブラボー』が聴こえたけど…あれは誰??…ノット??
2018.12.16(SUN)
14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール