モーツァルト 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」全2幕
演奏会形式・原語上演(日本語字幕付き)
公演時間:約3時間(途中休憩1回)
指揮、ハンマーフリューゲル:ジョナサン・ノット(東京交響楽団音楽監督)
舞台監修、ドン・アルフォンソ:サー・トーマス・アレン
フィオルディリージ:ヴィクトリヤ・カミンスカイテ
ドラベッラ:マイテ・ボーモン
デスピーナ:ヴァレンティナ・ファルカス
フェルランド:アレック・シュレイダー
グリエルモ:マルクス・ウェルバ
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
*公演直前になり、当初出演が予告されていたフィオルディリージ役のミア・パーション氏が、急病のため来日を断念せざるを得なくなり、代わって、ヴィクトリヤ・カミンスカイテ氏が急遽来日し、出演しました。
同氏は、ライプツィヒ歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、バイロイト音楽祭等で活躍中のソプラノ歌手とのことです。
また、フェルランド役のショーン・マゼイ氏が、体調不良のため4週間の休養を要するとの医師の診断をうけ、来日を断念せざるを得なくなり、代わって、アレック・シュレイダー氏が出演となりました。
デュトワN響のカルメンと重なり、悩みに悩み、選んだのはコジの方。
日ごろオペラを観ない(聴かない)ので、まだ親しみのあるカルメンを選ぶ方が無難だと思いつつも、N響の公演ならFM生放送や後日、クラシック音楽館で聴いたり、観たりできると思いコジを選択。
(チケットGET後、同日サントリーで中村紘子さんのメモリアルコンサートがあることもわかり、聴きたいコンサートが被りまくる日曜日なりました)
さて、カルメンも紘子さんのメモリアルコンサートも涙を吞み諦め挑んだコジ(身体はひとつしかないのだぁ〜)。
実は、コジは序曲しか聴いたことなく、オペラ全曲を通して聴くのも(観るのも)はじめて。
オペラの内容すら知らない(フィガロ、ドン・ジョバンニなどのダ・ポンテ三部作くらいしか予備知識がない)状態での挑戦で、親しみやすいアリアもなければ、合唱の登場もほんの僅か、物語も男女の駆け引きで劇的な展開もある訳でなく、3時間半(実際終演後に時間を見たら18時50分だったから休憩含めてもそれ以上)の長丁場は、些かつらい箇所もあり(睡魔が…)ましたが、それでも最後まで聴きとおせた(観とおせた)のは、モーツァルトの音楽も素晴らしいことながら、ノット率いる東響(小編成 6-6-4-3-2、ナチュラルトランペット、バロックティンパニ使用など)の香り立つ響きがホールに溢れ(特に木管の美しさには惚れ惚れしました)、とても表情が豊か、オペラの場合、縁の下の力持ち的な存在であるオケですが、存在感もばっちり、また通奏低音をノットが兼ねこちらも見事、そして急な変更があったとは思えない息の合った見事な歌唱を聴かせてくれた歌手たち(オペラのことがあまり詳しくないので、歌手の変更は、個人的にはそんな問題はなかったです)など最高のキャスティングだったからこそだと思います(^^♪
コジ初心者が素晴らしいと思えた公演ですから、きっと会場にいたオペラ通の方は、十分満足されたのでは、ないでしょうか。
終演後のブラボーの嵐を聞いてるときっと多くの方が満足されたのではないかと思えます。
個人的には、、ドン・アルフォンソ役のサー・トーマス・アレン(歌わない場面でも存在感がすごい)、グリエルモ役のマルクス・ウェルバ(チャーミングな演技と歌唱は、とても魅力的)の狂言回し的な役割のふたりがとてもよく(他のキャストも本当に素晴らしく正直オールベスト、本当強いて言えばです)、カルメンやメモリアルコンサートを諦めた甲斐ありました。
ノット自身プログラムを読むとミューザの音響を考えての編成や演奏会形式に拘ったとのことで、会場が東京芸術劇場のホールでは、響きすぎるかなぁと心配したのですが、わたしの席では、思ったより気にはならなかったですが(充分満足)、ノットの意図した音響のミューザで聴きたかったってのが本音。
全体的には大変満足いくものでしたが、いつもノット東響に感じるのは、知性的な演奏で、感動よりも感嘆する度合いの方が大きいのがあります。
意図された表現は見事なんだけど…
今回のコジも同じような印象で、たぶんデュトワのカルメンを聴いた方がウルウルしていたと思いますが、ノットのコジを聴き終えた時の気持ちは、学生時代難しい問題を試行錯誤してクリアーした時の高揚感とどことなく重なると言えば、わかってくれるかな(笑)
まったく馴染みのないコジをじっくり聴け(観れ)満足度は高いですv(。・ω・。)ィェィ♪
また昨年末からオペラ(初はデュトワN響のサロメ)にチャレンジし、今年に入り二期会、新国などオペラを観てきましたが、今回のようなシンプルに音楽のみの演奏会形式の方(と言っても歌手たちの動きはありますが)が個人的には趣味に合わない演出で観るよりも、自分の好きな様に舞台を想像できる上に音楽にも集中できるので、今後オペラを聴く(観る)機会があれば演奏会形式を選択する率が高くなりそう(演奏会形式の方が舞台にお金がかからない分、チケットも安く比較的リーズナブルにオペラを楽しめるメリットもあり)(^^♪
なお、ノット東響は、今回のコジを皮切りにモーツァルトのダ・ポンテ三部作の残りフィガロ、ドン・ジョバンニも演奏するとのことなので、楽しみです(特にフィガロ)♪
2016.12.10(SUN)
15:00(14:00にして欲しかった)
東京芸術劇場大ホール
3時間半は長かったぁ(しかも95分×95分、休憩1回のみなので、女性とお年寄りにはつらいです)(。>0<。)