ストラヴィンスキー
バレエ音楽「プルチネッラ組曲」
チャイコフスキー
バレエ組曲「くるみ割り人形」op.71a
プロコフィエフ
交響曲第5番変ロ長調op.100
指揮:上岡敏之
コンサートマスター:崔 文洙
上岡さんNJPによるオールロシア音楽プログラム♪
先日のコバケンのチャイコフスキーと共に冬はやっぱりロシア音楽が聴きたくなるもの。
とは言ってもここ数日春のような陽気でちょっとロシア音楽が似合うって陽気ではないかな(寒くないのは良いけど…)
さて、上岡さんならではのひと癖もふた癖もありそうなロシアものを聴かせてくれそうでワクワクしながら開演を待つことに(この日は、東海道線内でアクシデントあり、コンサートに間に合うために新幹線を使って遠回りするというハプニングもあったけど…)。
1曲目のプルチネッラは、NJPの各奏者の活き活きとした演奏が際立つ素敵な演奏。
上岡さんとしては、ストレートな表現。
弦はかなり刈り込みコンチェルト・グロッソ的な編成を活かし、楽し気な指揮と共にちょっとお道化た感のあるこの曲をNJPの奏者の手腕もひかり1曲目から良い演奏を聴かせてくれました。
2曲目のくるみ割り人形は、有名すぎるくらいの名曲。
この名曲をどう上岡さんが指揮するか楽しみ。
プルチネッラにも言えたけど、演奏はストレート。
早めのテンポでさらっと演奏。
かと言って面白みのない演奏ではなく、音の表情付けなどとても豊か。
メルヘンチックというより辛口の大人の雰囲気のくるみ割り人形♪
ただ独特の間の取り方もあり、聴き慣れたこの曲が新鮮に聴こえることも。
花のワルツもハープのカデンツァのあと間を大きく空けワルツに入るなど、なかなか芸が細かい。
ワルツの終わりも上岡さんなら大きくリタルダンドするかな思いきやストレートで勝負…これは意外でした(個人的にはリタルダンドする方が好み)が、演奏の流れを考えるとこの終わり方の方が良かったと思います。
ホルンが安定しなかったのは残念。
上岡さんの草書体とも言える躍るような指揮姿は本当魅力的。
後半のプロコフィエフの交響曲は、壮絶という表現がピッタリ‼
音の塊がビュンビュン飛んでくる絶叫系の演奏。
前半が直球勝負の早めのテンポなら後半のプロコフィエフは、変化球投げまくり‼
重量級の鋼鉄のような歩み、ドロドロと混沌した演奏は、聴いていて空恐ろしくなるそんなプロコフィエフの毒気を強調した演奏。
第1楽章の終結部は、まるで街を破壊し尽くしたゴジラの咆哮のようでした。
プロコフィエフのもう一つの特徴である軽妙な感じより、重く暗い部分をドギツク表現したこの演奏。
第2楽章も喜々としながらどことなく狂喜を感じるし、第3楽章もラフマニノフの交響曲第2番の第3楽章に次ぐハリウッドの映画音楽のように甘い甘い音楽(以前生で聴いたプレヴィン&N響はめちゃくちゃスイートな演奏でした)なんですが、上岡さんの演奏は、ベタベタするほど諄い甘さでまるで葬送の曲に聴こえ、無窮動的な終楽章でやっと軽妙感(というより緊張感切れた感じ)が出るもの、徐々に狂喜が爆発し、コーダの弦楽四重奏を経て大音響で終わるところは、ゴジラの断末魔の叫びって感じでともかく凄かったです(ノ≧ロ)ノ<
NJPも大健闘‼
まるでショスタコーヴィチやマーラーを聴いた感のあるプロコフィエフは、他のプロコフィエフ好きの方は、どう聴いたのかわからないけど、個人的には気に入りました‼
ここまで満腹状態なのにアンコールまである(トランペットに空席があったのでアンコールは想定してましたが…)のは、半ば拷問(オケも聴衆も) (笑)
…は冗談としても、アンコールのくるみ割り人形からのグランド・パ・ドゥ・ドゥも壮絶‼
組曲版でスマートに徹したのは、アンコールを盛り上げるためかと勘ぐっちゃいました(笑)
上岡節炸裂しまくりのコンサートでした(おなかいっぱい‼)v(。・ω・。)ィェィ♪
マイクも立っていたのでCD化の可能性もあるかも(出たら絶対買うぞ‼)。
残念ながら5月の同コンビのみなとみらいの特別演奏会は、ソワレなのと日程的に無理そうなんで行けませんが、来期も音響の良いみなとみらい演奏会は続けて欲しいものです♪
今回も3階席はクローズ…来期はクローズせず席の販売して欲しいものです(音響的にも良いので)。
会場で配布されたチラシのあった春のマーラーの6番も今日の演奏を聴くと、どんな演奏になるか気になりました(^^♪
2016.12.4(SUN)
14:00
みなとみらいホール 大ホール