リスト
ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124/R.455*
ラフマニノフ
交響曲第2番ホ短調op.27
日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:アレクサンドル・ラザレフ(日本フィル桂冠指揮者兼芸術顧問)
ピアノ:桑原志織*
コンサートマスター:扇谷泰朋(日本フィル/ソロ・コンサートマスター)
ソロチェロ:辻本 玲(日本フィル/ソロ・チェリスト)
雄大なるロシアロマンの調べと題された府中芸術の森どりーむコンサート♪
前回、コバケンの杉並公会堂のベートーヴェンのブログでも書きましたが、今年は、大好きな日本フィルのコンサート…特に定期…がなかなかタイミングが合わず聴けず、しかもこれもまた大ファンのラザレフの公演を春・秋と逃しているので、府中は遠いけど、このコンサートを聴き逃すと今年はラザレフ指揮の日本フィルが聴けなくなってしまう(しかもラザレフの指揮でラフマニノフの2番の交響曲を聴けるなんて‼)ことから頑張って府中まで行って来ました。
府中芸術の森は、昨年6月に広上淳一指揮東京交響楽団(ソロは小林美樹のベトコン)を聴いた以来なので、1年半ぶりくらい。
やっぱ遠いと思いつつも、意外とこのホールの音響が好き(見た目は他の都内にある一般的なコンサート会場ですが、意外と音が響く)なのとチケット代がリーズナブルなので、来た甲斐度は高いですv(^-^)v
さて、チラシには「雄大なるロシアロマンの調べ」と書かれてますが、1曲目のリストは、関係ないので、ちょっとチラシは煽りすぎ(;^_^A
この辺りは、ロシアの作曲家で纏めて欲しかったけど、ソリストの都合かな。
でもそのリストを弾く予定だった石田啓明さんがご病気とのことで、急遽代役で桑原志織さんがプログラムそのままで、代演(なお、ソリストが代わることをわざわざチケット購入者に連絡した府中芸術の森のスタッフは、凄いです)。
桑原さんは、マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクールなどに入賞し、現在、藝大在学中の新進のピアニスト。
コンクールで上位入賞するだけのこともあり、彼女のピアノはリストをバリバリ弾き熟すテクニックはあるのだけど、リストならでは欲しい「華」的なものがないので、全体的に単調に聴こえたのは、ちょっと手厳しい評価かも知れないけど、お金を払って聴くコンサートだからこそ、それなりのクオリティはないと。
まだまだ学生、勉強中ですから今後に期待したいものです。
ラザレフ率いる日本フィルも厚みのある雄大な響きで、彼女を支えたけど、いまひとつ精彩に欠けアンサンブル的にも緩さを感じました。
但し、アンコールのショパンは、見事だったので、アンコールでは協奏曲違い肩の力が抜けたのかしら。
もしかしたら今回もリストではなくショパンの協奏曲の方が彼女らしさが出てよかったのかも。
後半のラフマニノフの交響曲は、ラザレフと日本フィルならではの最良の演奏でした。
前半の協奏曲と違い指揮もオケも気合の入れ方が違って聴こえたようなそんな印象すら感じました。
弦も16型の厚みのある重量級の響きながらも、重くならないのは、ラザレフマジック‼
基本、早めのテンポなので、長大なラフマニノフのこの交響曲も停滞することなく、響きがビシビシと決まり、第1楽章から正にチラシに偽りなしの雄大なるロシアロマンの調べが綿々と流れ、ラザレフと日本フィルが奏でる音色にどっぷり浸ることができました。
ラザレフと日本フィルの愛の賛歌と言うべき超弩級の名演♪
コンマスの扇谷さんのソロや伊藤さんの憂いを含んだクラリネットの響き、ホルン軍のゲシュトップ奏法の見事さ、相変わらずのパケラさんの決め決めのティンパニなど日本フィルメンバーもラザレフに応えるべく素晴らしい演奏を聴かせてもらい、フィナーレまで大満足のラフマニノフの交響曲でした(^^♪
因みに第1楽章終結部は、ロシア系指揮者の好むティンパニの一撃が入る演奏で、これがまた格好良い‼
アンコールのヴォカリーズも素晴らしく、久しぶりのラザレフを堪能させていただきましたo(^-^)o
終演後は、相変わらず舞台の袖に立ち、日本フィルを指し「こいつら褒めてやってくださいよ」のジェスチャー。
本当、この相思相愛の両者の関係は、いつ見てもよいですね。
首席は退きましたが、ラザレフには、この先もずっと日本フィルを振り続けて欲しいものです。
今年、日本フィルの演奏は、これで最後。
聴けた回数は、少なかったけど、最後にこれぞ日本フィルと言えるコンサートで〆ることができ良かったです♪
やっぱり個人的には、インキネンよりラザレフなんだよなー。
来年も聴けるといいな(((o(*゚▽゚*)o)))
2016.11.20(SUN)
14:00
府中の森芸術劇場 どりーむホール