マーラー
交響曲第8番変ホ長調 『千人の交響曲』
指揮:ダニエル・ハーディング
罪深き女(ソプラノⅠ):エミリー・マギー
懺悔する女(ソプラノⅡ):ユリアーネ・バンゼ
栄光の聖母(ソプラノ):市原 愛
サマリアの女(アルトⅠ):加納 悦子
エジプトのマリア(アルトⅡ):中島 郁子(ゲルヒルト・ロンベルガー代役)
マリア崇敬の博士(テノール):サイモン・オニール
法悦の教父(バリトン):ミヒャエル・ナジ
瞑想する教父(バス):シェンヤン
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山 文昭
児童合唱:東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮:長谷川 久恵
コンサートマスター:豊島泰嗣
Music Partoner of NJP としてのハーディング最後の定期演奏会。
アルミンクも3番でNJPのラストを飾り、大好きなふたりの指揮者がNJPとの最後をマーラーで締めくくるのは、彼ららしいような気がする。
さて、数々のNJPの共演で素晴らしいマーラーを聴かせてくれたハーディングが、マーラーの中でも最大規模(というより交響曲の中でも最大規模)の8番の交響曲をどう演奏するのか楽しみであり、6年間の積み重ねがどう演奏に活かされるのか期待して、トリフォニーへ♪
終わりよければすべて良しではないけど、ラストコンサートのハーディングは、とても素晴らしかったと思います♪
フル編成のオケ&オルガン、合唱がffで豪快に始まる出だしがガツンという感じでなく、ふにゃ~って聴こえた時は、一瞬どうなるかと思ったけど、その後、どんどん尻上がりに良くなり、第1部の終結部の追い込みは、おっーって感じ‼
でも聴きどころは第2部のオケだけで奏でる静かな部分~ポコ・アダージョ~の表現の上手さ…この個所は退屈しちゃう演奏が多い…はさすがハーディング‼
聴き惚れてしまいました。
その後の声楽が入る個所からは否応なし盛り上がり、感動的なフィナーレへ。
ハーディングの演奏は、熱い演奏ではなく、じわじわと感動させ、すっーと心に浸透していく、そんな演奏でした(´;ω;`)ウッ…
合唱の美しさ(栗友会合唱団、東京少年少女合唱隊)は特筆もの‼
本当素晴らしかったです‼
声楽のソリスト陣では、男性陣が好調‼
特にオニールは、すごい‼
これだけでも聴く価値ありです‼
それと比較すると女性陣は、外国勢は健闘してましたが、日本勢が加納さんを除くとオケに負ける個所も多々あり、天上から聴こえて来るような扱いの栄光の聖母を歌った市原さんは、かなり微妙…
美しい歌声だけど、声量が足りないような…
8番後半の聴きどころだけに個人的には残念。
オケは、いまひとつ冴えない個所もありましたが概ね好調‼
ハーディングの指揮に応えていたと思います‼
3階席だったので、オケの音色は遠く(しかも満席だと響きが悪い)迫力という点では、いまひとつでしたが、マンドリンなど音量の小さい楽器や室内楽的部分など明瞭に聴き取れ、これはこれで満足‼
もちろん合唱は、静かな部分の美しさや迫力ある個所での聴き応え、お子さまたちの清らかな歌声は、3階席でも十分楽しめました(^^♪
マーラーの千人を楽しむのには十分良席だったと思います。
また概ね聴衆のマナーもよく、フラブラ・フラ拍手(若干数名のパチパチはあったけど)もなく、良い環境で聴けたのもよかったかも。
ラストコンサートは、NJPとハーディングが培った集大成としてもなかなか良い出来だった思います♪
でもこの演奏は、練りに練った3日目…しかも音響に優れたサントリーの公演がたぶん一番素晴らしい演奏になるんじゃないかと思います(聴けないけど。。。)♪
1000人の交響曲というあだ名がありますが、今回の演奏は、オケがバンダも含め120名、合唱が170名、児童合唱が50名、ソリストが8名、指揮者1名(ソリスト・指揮者以外は、概数)の330名くらいだと思いますが、実際普通のホールでマーラーの8番を演奏する基準的な規模でないでしょうか。
マーラーの膨大な編成は、音響効果も然ることながら、視覚的効果も狙っていると思うので、やはりCDなどでなく、実演で聴くのがマーラーの意図もよくわかると思います♪
2週続けて大編成の大曲を聴き、さすがにちょっとお疲れモードですが、素晴らしい演奏に出会えるのもコンサートの楽しみですよね(^^♪
2016.7.2(SAT)
14:00
すみだトリフォニーホール
評価:☆☆☆☆(最終日の演奏が一番素晴らしいかもと思うと…)(あと若干マーラー不感症気味かも)