ブラームス
ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77*
交響曲第2番ニ長調op.73
〈ソリスト・アンコール〉
J.S.バッハ
指揮:モーシェ・アツモン
コンサートマスター:崎谷直人
ヴァイオリン:佐藤俊介*
先週に引き続き神奈川フィルのコンサートへ。
プログラム前半の協奏曲では、佐藤さんはガット弦でこの協奏曲に挑み、ガット弦を活かしたノンヴィブラートによる凛とした透明感あるヴァイオリンでこの曲の古典的な側面を強調し、全体的にシャープな響きで演奏。ガット弦のため音量的には繊細になりがちなので、比較的大きめな編成でバックを務めるアツモンさん率いる神奈川フィルに時折ソロがかき消されることもありますが、意外とアツモンさんがオケから引き出す重厚な響きと合っていたような気がします。
お互いの個性がぶつかり合い、それが上手くマッチングし、ジプシー風な終楽章もソロとオケとが情熱的な丁々発止を繰り広げ、協奏曲を聴く醍醐味に浸れ聴き応えのある演奏でした。
またカデンツァもこの協奏曲でよく取り上げられるヨアヒムやクライスラーのものでなく、佐藤さんのオリジナルのものを使用し、ガット弦をはじめ髄所に佐藤さんらしい拘りのあるブラームスだったと思います。
アンコールのバッハも佐藤さんの奏でるいぶし銀の響き聴き入ってしまいました。
後半の交響曲は、重厚で堂々とした響きで神奈川フィルを鳴らしたきったアツモンさんは、本当に素晴らしかったです。
御年84歳のアツモンさん、年齢を感じさせず巧みにオケをコントロールするのは流石。
まさに名匠!!
終楽章も熱狂ではなく、じわじわと心の襞に沁みていくような鳴らし方もアツモンさんのこれまでの指揮者人生があったからこそ成せる技。
協奏曲・交響曲ともに首席の小山真里江さんのオーボエの響きは最高でした(特に協奏曲及び交響曲の緩徐楽章)!!
本物の演奏を聴いた満足感と余韻に浸りつつホールを後にしました('-^*)/
2016.1.16(SAT)
みなとみらいホール
14:00
評価:☆☆☆☆
横浜はいつ来ても素敵о(ж>▽<)y ☆