R.シュトラウス
楽劇「サロメ」(演奏会形式)
ヘロデ…キム・ベグリー
ヘロディアス…ジェーン・ヘンシェル
サロメ…グン・ブリット・バークミン
ヨカナーン…エギルス・シリンス
コンサートマスター…伊藤亮太郎
指揮…シャルル・デュトワ ほか
息もつかせない100分!!
官能美と退廃的な雰囲気、異常なまでの緊張感、そんなおどろおどろしい世界観が音楽から伝わって来るR。シュトラウスの作品をサロメを歌ったバークミンさんをはじめ、歌手陣の歌唱力の見事さに心底感動し、耳を奪われた100分間でした。
ヘロデ役のベグリーさん、ヘロディアス役のヘンシェルさん、ヨカナーン役のシリンスさんのドラマチックで圧倒的な歌唱力はもちろんのことサロメ役のバークミンさんは、サロメの少女から大人への変貌、官能と狂気を素晴らしい歌唱力で見事に歌い切り、鳥肌ものでした。
オペラなので歌手の素晴らしさが目立ってしましますが、デュトワさん率いるNHK交響楽団もR.シュトラウスの音楽を完璧なまで表現し尽くしたのは圧巻!!
サヴァリッシュさん、シュタインさん、ライトナーさんの頃からの伝統や最近はパーヴォさんとR.シュトラウスの管弦楽作品を定期的に取り上げ(録音も兼ね)、NHK交響楽団としてもR.シュトラウスの作品はお得意とは言っても今日の演奏は特筆すべき素晴らしいものでした。
またクラシック音楽館で放送されるとは思うのでもう一度聴けるのが楽しみ。
同じR.シュトラウスの作品でもパーヴォさんだと緻密で精巧な響きをNHK交響楽団から引き出すけど、艶っぽい響きに変えてしますのがデュトワマッジック!!
20年近いお付き合いがあるので、デュトワさんとNHK交響楽団のチームワークも息がぴったり。
NHK交響楽団から官能的な響きを引出しホールを満たしました。
今回みたいな演奏会形式は、やはりオペラと言うよりコンサートの延長線上にあるものだと思うけど、登場人物も少なく、舞台もシンプルな構成になっているサロメのような場合は、奇をてらった演出や舞台装置があるより歌手たちのシンプルな演技で舞台を想像する方が、音楽に集中できたような気がします。
2015.12.6(SUN)
15:00
NHKホール