日本フィルハーモニー交響楽団 第675回 東京定期演奏会 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

“シベリウス生誕150周年”

シベリウス

歴史的情景第1番作品25

組曲「ベルシャザールの饗宴」作品51


“マーラー撰集Vol.6”

マーラー

大地の歌


指揮:ピエタリ・インキネン(首席客演指揮者)

テノール:西村悟

バリトン:河野克典

コンサートミストレス:千葉清加(日本フィル・アシスタント・コンサートマスター)

ソロ・チェロ:辻本玲(日本フィル・ソロ・チェロ)





前半演奏されたシベリウスの2つの作品は、フィンランディア、カレリヤなどシベリウスの有名な管弦楽先品と比べると知名度が低いかもしれませんが、シベリウスイヤーにこの佳作を持ってくるところが流石シベリウスと同郷のインキネンさん。

歴史的情景第1番は、フィンランディアと同時代頃書かれた作品でシベリウスの作品の中では比較的親しみやすい方ではないでしょうか。またベルシャザールの饗宴は、シベリウスでは珍しい東洋的な旋律も出てきてエキゾチックなムード漂う作品(ウォルトンの合唱と大管弦楽を伴う同名の作品と比較すると地味ですが)で後半の大地の歌に上手く繋がっているなぁとプログラムの組み方にも感心。

シベリウスの交響曲をはじめ数々の作品をインキネンさんと演奏してきた日本フィルのメンバーのアンサンブルも絶妙で、特に木管群、フルートの真鍋さん、オーボエの杉原さん、クラリネットの伊藤さん(12月の定演のフィンジが楽しみ)の音色には聴き入ってしましました。

後半、マーラーの大地の歌は、当初予定していたヘレン・ユントゥネンさんが来日出来なくなったことから女声パートはバリトンの河野さんに変更となり、演奏されるのは比較的珍しいテノールとバリトンの歌唱によるものとなりましたが、この曲はテノールとコントラルトによるヴァージョンが一般的で、マーラー自身も男声・女声と交互に歌うことにより音の対比が出ることを望んでいたのかも知れませんが、バリトン歌唱だと特に最後の告別における哀愁や寂寥感がより一層深く感じ、個人的には今回のようなテノール&バリトンの男声のみによるヴァージョンの方が好みです。

輝かしく張りのある歌声で魅了したテノールの西村さん、そして見事しか言いようがない歌唱力で歌い切った河野さん(特に告別の切々した歌唱に思わず涙が)は、本当素晴らしかったです。

インキネンさんのマーラーは、ユダヤ節を濃厚に歌うというより、清涼感漂うスッキリ系な解釈で日本フィルを纏めており、日本フィルもそれに応え見事な演奏を展開し、爽やかなマーラーを聴かせていただきました。

また日本フィルの個々のメンバーの技量も素晴らしく、やはりここでもオーボエの杉原さんは光っており、もし機会があればインキネンさんのヴァイオリン(11月他の公演では扇谷さんとバッハのドッペッルコンチェルトを演奏)とバッハのヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲を演奏して欲しいかな…日本フィル事務局の方、ぜひ御二方を口説き来秋辺りには実現をよろしくお願い致します。

コンサート終了後、インキネンさんのアフタートーク。

今回の選曲や横浜等でのコンサートで弾くこと、来春の日本フィルのコンサートのことなど大いに語っていました…来年から首席就任…ますます期待でき そうですね。




2015.11.7(SAT)

     14:00

      サントリーホール