既報の様にブルーサンダー号にもちょこちょこと不具合がでている。2010年の10月に買った2011モデルだ。今度の秋で14年になるのでガタがでて当たり前だ。ヽ(´ー`)ノ ハア
ステムベアリングに打痕があることと、ドライブチェーンがすでに終わっていることに気づいてしまったので仕方ないので直すことにした。(^_^;
まずはドライブチェーン。
520サイズなら何でもいいので120リンクのシールタイプを買ってきた。
チェーンカッターとカシメツールはもっている。v(∩_∩)
大昔に買ったホンダ純正の工具(青い金属ケースに入っている方)はかなり使いにくいので、チェーンメーカーの大同が販売しているかし丸君(小さいプラケース)を使っている。使いやすさは段違いだ。(苦笑)
それからステムベアリングも部品番号を調べて検索したところ、ネット通販でも純正部品を買えたので手に入れた。
ステムベアリングの交換に際して、古いレースの打ち出しと新しいレースの圧入をうまくできるかどうかが課題となる。
※実はこの認識の甘さがあとあとのどえらい出費につながったのだが・・・orz
取りあえず手持ちの工具類を引っ張り出して使えそうなものを探してみた。
う~ん。どれもイマイチ。。。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
ベアリングレースの打ち出しは、圧入締め代は大したことはないので、金属の棒とかマイナスドライバーをあてがって叩いてやれば抜けるはずだが圧入はまっすぐ入れるのが結構難しい。。
ベアリングレースの圧入治具はいろんなサイズを持っているがこれらはちゃり用に揃えたものなのでブルーサンダー号のベアリングを圧入するにはちと小さい。。(苦笑)
同様にベアリングの引き抜き工具もいくつか持っているが外側から引き抜くタイプだったり、内掛けタイプでも小さすぎてヘッドパイプにはイマイチだ。orz
万が一失敗すると面倒なので、ステムベアリングレースの打ち出しに特化した工具を念のために買っておいた。
ベアリングレースの圧入はプラハンで慎重にやればなんとかなるとは思うが念のために圧入時に使えそうな長いボルトをホームセンターで買ってきた。両側から挟んでねじ込むことで圧入するのだ。v(∩_∩)
まあ、そんなわけでとりあえず、本格的な梅雨に入る前にやってしまうことにした。
フロントタイヤやブレーキまわりをあらかじめ緩めておいてからスタンドでフロントをあげ、タイヤを外し、ハンドルを外してからトップブリッジも外し、ボトムブリッジを緩めてフロントフォークを抜き去る。
その後、ステアリングステムを抜き取る。
バイクはこんな感じだ。あられもない姿になってしまった。(爆)
錆とまでは行かないがさすがに購入後14年弱の間、ノーメンテだったのでそれなりだ。(^_^;
ボトム側の転動面はシマシマ模様。(^_^;
ステムベアリングレースの打ち出しは工具を買っておいたお陰であっさりとたたき出すことができた。v(∩_∩)
ここまでは意外にあっさりと来たのだが、ステムに圧入されている古いベアリングを取り去るのに悪戦苦闘した。テーパーローラーベアリングのインナーレース側が圧入されているのだ。
軽圧入くらいで少しこじればとれると思い込んでいたのだが甘すぎた。orz
何をやっても動く気配がないのでサービスマニュアルにしたがって隙間にタガネをあてて叩いてみた。
マニュアルでは上のイラスト一つだけでなのでタガネを使えばすぐにとれると思い込んでいたが、やっぱり手強すぎる。orz
考えて見れば、モトクロッサーばりに跳んだりはねたりに耐えられる『林道のR1』である。負荷のかかるステムベアリングがへなちょこの訳はないのだ。。゜(゜´Д`゜)゜。
なんとか隙間はできたのだが、抜き去るにはきちんとしたベアリングプーラーが無いとムリだ。だが、ステムの長さが長いため、汎用のプーラーでは到底ムリ。スペシャルの工具でも無いとベアリングを引き抜くことは不可能だ。
それでも斜めにタガネをあててなんとか抜けないかがんばっていたが、そのうちタガネの刃先で指先を血だらけにしてしまった。(^_^;
叩いたあと、痛みはさして感じなかったのだが、ふと気付くと軍手越しに指先から血が滴っていた。(^_^;
水絆創膏で血止めをして作業続行。(爆)
タガネを変なところにあててしまい、ベアリングのリテーナーをバラバラにしてインナーレースだけにしてしまった。(苦笑)
その後も試合続行。v(∩_∩)
しつこく叩いているうちにだいぶ抜けてきたのだがここまで浮いてもまだ内径側に締め代があるので外せない。。。orz
しかし、気をつけていたつもりだがなんとか抜こうとするあまり、軸部をタガネで傷だらけにしてしまっていた。orz
ボトムブラケットが邪魔なのでインナーレースを抜く方向にたたけるのは円周方向のごく一部だけなのだ。気付いたときには軸部の傷だけでは無くて、インナーレースが斜めになっており、軸方向にまっすぐ引けない限りハンドツールで外すのはムリだと判断した。(挫折)
こうなるとリカバリーは不可能。
諦めが肝心だ。ヽ(´ー`)ノ ハア
かなり高額な部品だが、ステアリングステムは在庫があるようなので発注しておいた。orz
諭吉さんが6名近く脱走してしまう。
超高い授業料だ。ヽ(´ー`)ノ ハア
外したベアリングの外輪の転動面を見る限りでは打痕がついていたのはアッパー側だけでありボトムは問題なさそうだった。
赤丸の部分に1ヶ所ツメが引っかかる場所が有る。これがステアリングカックンの原因だ。
ボトム側は全周にシマシマ模様は有るもののツメが引っかかるような感じは無く、継続使用可能レベルだった。
後悔先に立たずではあるが、冷静に考えればステムに圧入してあるボトムサイドのベアリングは洗浄してグリスUPするだけで再使用すればよかった。
仮に交換するにしてもヘッドパイプに圧入してあるアウターレースだけの交換にすべきだった。
授業料が高くついた。orz
初日はここで終了。
心が折れた。これ以上はムリ。
バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
だが、そのままにしておく訳にもいかず、翌日、まずはヘッドパイプにトップ、ボトムのベアリングのアウターレースを圧入しておくことにした。
手持ちの工具や買い足したナットやワッシャをつかってなんとかねじ込みで入れてみた。
欲張って上下を一度に入れようとすると斜めになってしまうので、プラハンで軽く叩きつつ、まっすぐになるようにして食いつかせてから、上下を別々にやったところなんとか上手く入った。v(∩_∩)
ボトム側も無事に圧入完了。v(∩_∩)
これで新しいステムが届くまではバイク側でやっておく作業はない。
だが、新しいステムに新しいベアリングを圧入するのもけっこう手強そうなので準備しておくことにした。
長いボルトをつかって塩ビ管で上下から締め上げてやろうという作戦だ。
どうせ、傷をつけてしまったので外したステムをつかって斜めになって固着しているベアリングのインナーレースを押せるかどうかを試して見た。
タガネで傷をつけてしまった部分が引っかからないようにリューターで軽く磨いてから塩ビ管で挟んで締めてみた。
写真だとわかりにくいが斜めになっていたインナーレースがまっすぐになって少し入り始めた。v(∩_∩)
基本的にこのやり方で新しいステムに新しいベアリングを圧入できそうだ。v(∩_∩)
あとはステムが届くのを待つだけ。
待つこと4日。注文していたステムが届いた。
クドいようだが超高額商品だ。orz
失敗してダメにしてしまったのは自分自身だ。誰にも文句は言えないが。orz
気を取り直して、新しいベアリングの圧入だ。
先週末に傷をつけてしまった古いほうのステムで圧入テスト済みだが、用意したもので圧入はできるものの普通のナットだとねじ部の強度が負けそうな感じでねじ山が変形しそうなフィーリングだった。そこでホームセンターでロングナットを買ってきた。
これなら通常のナットの6倍くらいの長さでねじ山がかみ合うのでねじを痛める可能性が低いのだ。v(∩_∩)
ベアリングの圧入部にたっぷりとグリスをつけてからねじねじ開始だ。
この手の圧入に便利なのだが塩ビ管だ。ホームセンターで探すと大抵使えそうなサイズが見つかる。(笑)
今回見つけた内外径がちょうどいい塩ビ管は必要な長さよりもだいぶ長いが変にカットして切断面が斜めになるとまっすぐ押せなくなくなる可能性があるためそのままとした。(^_^;
どのみち300mm以上の長さのボルトが必要だったのだが、M10にしてもM12にしても200mmくらいまではあるがそれ以上となるとホームセンターでの選択肢は1mになってしまうのだ。ボルトは太めの方が何かと使い勝手はいいのだがステムの内径がΦ14なので太目を選ぶにしてもM12までだ。
もともとチャリのBB圧入用に持っているものがM10なのでアタッチメントなどを使える可能性もあるためM10にした経緯がある。
その分、ねじ山の強度を確保するために上述のようにロングナットで対応することにしたというわけだ。
ナットを締めていくと塩ビ管が撓むというか縮むのがわかる。半周ねじ込むとぐぐっと縮んで、もう半周ねじ込むと圧入部の抵抗に打ち勝って、パキンと音がしつつ、ベアリングが1mm弱入り込んでいく感じ。ドキドキしながらも今更後には引けないので塩ビ管の強度が持ち堪えることを祈りつつ、グイグイ締めていった。(苦笑)
ここまで来ればあとは組み上げるだけだ。たぶん・・・・(苦笑)
ちなみに今回用意したグリスはこれ。
右からふたつ目のグリスはヤマハ純正。大昔、大学生の頃に買ったものだ。
未だに使い切れずに残っている。バキッ!!(-_-)=○()゜O゜)アウッ!
当時の値札シールが剥がれずに残っているが、980円だったようだ。けっこう高かったんだな。(苦笑)
ちなみに一番右のモリブデングリスも相当年代物だ。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
そして最初のトライの土曜日から丸一週間後の今日、リカバリーするべく続きの作業を再開した。
さあ、あとはバラバラになっているブルーサンダー号をなんとか元の姿に戻していくだけだ。
ステム上下のテーパーベアリング転動部へは耐水グリスをたっぷり塗り込んだ。v(∩_∩)
メーター周りの配線やブレーキホースの取り回しに悩みつつも何とか組み上げていった。
フロントフォークを取り付けてから、フロントタイヤも仮付けし、ステムの締め付け加減の調整だ。
今度は新品ベアリングのおかげで適正なトルク(と思われる手感トルク)で締め付けてもカックンと引っかかるところはない。当然である。(爆)
ブレーキや配線周りをもう一度チェックしてからトップブリッジとハンドルを取り付けた。
あとはブレーキホースラインやキャリパーを仮付けしてからスタンドをおろし、ホイール周りも含めてすべて本締めだ。
最後にすべての個所の締め付けを再確認して終了だ。v(∩_∩)
ふぃ~。
なかなかドキドキする作業だったが、またこれでひとつ経験値があがった。高い授業料だったけどね。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
仕上げにドライブチェーンの交換だ。
今度はリアタイヤが浮くようにセンタースタンドをかけてチェーンカッターでチェーンを切っていく。
大昔に買ったホンダ純正の工具はカット&カシメ治具を固定する6角頭とねじ込んでいく側の軸の6角頭が軸方向に離れているため、双方を逆方向に回してトルクをかけるときに力が入らなくなるのだ。
その点、大同のものはよくできている。v(∩_∩)
新しいチェーンと古いチェーンの長さをあわせてから新しいチェーンの余分なコマをカットする。
あとは車体に取り付けてからカシメタイプのコマを取り付ければOKだ。サイドプレートの圧入加減とピンの頭のかしめ加減には細心の注意を払う必要がある。
無事、ドライブチェーンの交換を終了した。v(∩_∩)
とりあえず、実際に走ってみてステムの締め具合の確認と必要なら再度の増し締めもしくは緩めが必要だがここまで来れば安心だ。
昼過ぎに終了したので部屋で昼メシを食べてしばし休憩。(爆)
そして食後にもう一つの宿題?を遣っておくことにした。
突き当て状態で圧入してあるベアリングを抜きたいときには通称『ギロチン』と呼ばれているタイプのベアリングプーラーを使うのが一般的だ。正式名称は知らなかったが調べたところ、『セパレーター』と言うらしい。そりゃそうだ。さすがにギロチンなんてあまり好ましい名前じゃないもんなぁ。(爆)
受刑者に苦しまずに死を与えるという名目だったらしいが残酷なことこの上ない殺人兵器の名前だからね。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
今回の件でいろいろ検討しているときに中華製だが安いプーラーが売っていることを知り、今後のための備えとして買ってしまった。(^_^;
仮に初めからこれを持っていたとしたら何とか出来たのだろうか?
検証してみた。
オートバイのボトムブリッジには通常ハンドルストッパーとなる突起があるのでベアリングが密着している状態でギロチンを取り付けてベアリングを浮かすことは不可能だ。
ストッパーの突起部の高さをみる限り、今回やったようにタガネで叩いて少々浮かせることができたとしても到底無理だ。
だが、現物を見ているうちに思いついた。リテーナーを破壊してローラーも取り去った状態ならばインナーレースの上側のつばにひっかけて抜くことができるかもしれない。
イヤもしかしたらベアリングとリテーナーがついたままでも何とかなるかも知れない。
かなり作業性が悪そうだが可能性はゼロではなさそうだ。v(∩_∩)
ネットで検索するとギロチンを2セット準備して1セット目の両側をカットしてハンドルストッパーに干渉しない幅にしたうえでそれに重ねるように通常のギロチンを溶接している人がいた。
ギロチンの締め上げがベアリングを抱く部分とオフセットするのでかなり無理がありそうだったが、まあ抜けなくはない感じかな。
とりあえず追加購入したギロチンプーラーをあてがってみたら上側のツバに引っかけてやれば干渉するものは無いし、高さ的にも何となく行けそうな感じだ。v(∩_∩)
掛かり代が少ないのでギロチンの刃の部分の強度が負けなければ抜けそうな気がする。(^_^;
やってみた。
何とも中華ゆえの心許なさがそこはかとあるので防護メガネも着用しつつ慎重にネジネジしてみた。(爆)
すると以外にもあっけなく外すことができた。v(∩_∩)
ギロチンプーラーを買えばなんとか外せるかも?と思いついたときには、既に新しいステムは発注済だったし、キャンセル不可だったので古いステムを再利用することは諦めた。orz
結果から言えばすんなり外せたので、シャフトにつけてしまった傷はリューターでキレイになめておけば、どうせ外側にはベアリングが圧入されるので再利用できたはずだ。(^_^;
諭吉が6名弱脱走してしまったが、これもまた経験値を上げるための授業料だったと諦めることにした。
一連の作業で、オイルシールやアウターレースの打ち込み工具とギロチンプーラーも追加購入したので、今後は何かあっても大抵のことには対応出来るはずだ。
そのための知恵と経験を高い授業料で会得したのだ。(´ー`)┌フッ
まあ、そんなわけで、今回は高い高い授業料を払って久しぶりにいろいろ学ぶことができた。きっと今後に役立つに違いない。(苦笑)
もっとも、ステムのベアリング交換をする機会がまたあるとは到底思えないし、その場合は素直にバイク屋に持って行きそうな気がするが。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
紆余曲折があり、高い授業料も払う羽目になったが何とかここまでセルフで出来たという事で良しとしよう。